金銭ではないインセンティブ
★【朝メール】20090914より__
おはようございます。夜明けがまた一段と遅くなった感覚がします。「秋の日はつるべ落とし」といいますが、秋の夜明けもなかなか上がらないです。夜側に引力があります。
===ほぼ毎朝エッセー===
□□金銭ではないインセンティブ
最近定着化しているジムでのYouTube TED Talks、土曜日に意外なコンセプトに出会いました。Daniel Pinkという人のスピーチでした。
「作業は金銭によるインセンティブが多いことでスピードが向上する」これは従来のマネジメントの考え方に合致します。だから、よくできる人にはより多くの給与が与えられて、それがモチベーションになってさらに作業効率が改善するわけです。
ところが、ちょっと難しいパズルを解いてもらうときに、「早く解いた人には賞金を与える」というグループと、「単にどれくらいで解けるかを測定するだけだ」とプレッシャーを与えないグループとでは、明らかに前者のほうがスピードが下がるというのです。つまり金銭インセンティブが全く逆の効果をもたらすというのです。
「難しい作業では、金銭によるインセンティブを与えるとスピードが下がる」
これが実態だそうです。金銭インセンティブを主体とした管理手法は複雑化する仕事の中では全く逆の効果をもたらすという知見です。
このことは、Googleが20%のアングラ仕事から、殆どの新しい種を開発できていることや、百科事典で、オープンソースのWikipediaがボランティア活動の著作者たちで、Microsoftが90年代に肝いりで大金をかけて開発したEncartaを駆逐してしまった例や、オーストラリアのソフト会社での「24時間後プロジェクト」で、「明日まで何か新しいものを作ってくる」というプロジェクトが大成功している例などから、正しいものであると結論付けています。
大切なのは、自発性(AUTONOMY)と専門性(MASTERY)と目標(PURPOSE)だといいます。こういうことをモチベーションとして、難しい課題を効率よく解いていく集団を作る、これが、21世紀型の働き方です。その際には会社に来ることすら必須ではなくなって行くのでしょう。