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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

いいことばっかり言う営業マンは信用できるか?

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巷にはたくさんの営業マン(ウーマン)が溢れかえっています。
<B to B> やら<B to C>、はたまた最近は<C to C>なんていうのもありのようです。

保険、証券などの金融系や、不動産や自動車など比較的高額なものから、店頭での小売や飲食、法人同士の取引など一口に営業と言っても多岐に渡ります。

このブログを読んでいただいている方においては「営業する側」になる方が多いと思われますが、そうでない方も含めてすべての方が「営業される側」になるわけです。

飲食などのようにシェフや大将やホールのお姉さまに「本日のお勧め」と営業されて、「これはいける」「全然ダメじゃん」とすぐに結果が出るのもは置いといて、ある程度の期間使わないとその効果がはっきり分からないものについて、今回お話ししたいと思います。

営業の場面、つまり商談する際ですが、基本はお客様のニーズやウォンツに応えるか、問題解決を扱える商品やサービスでできるか、という話しになりますのでお客様にとってのメリットを強調することになります。

ビフォーアフターや他社との比較、分析データなど駆使してどんだけメリットがあるのかプレゼンされます。

嘘や捏造は論外ですが、多少の誇大表現もあるでしょう。
我田引水となる表現があってもある程度仕方ないでしょう。

ここまでは一般論として営業の許容範囲としましょう。

8~9割方は上記のような<メリット強調営業>となるのは一般的には当然であると思いますし、そうでないと商談になりませんよね。

しかし、100%<メリット強調営業>であったらどうでしょう。
保険や証券など金融系はコンプライアンス(法令遵守)の観点からNGです。
現在はしくみとしてデメリットを必ずお客様に提示するようになっています。
(個々の担当者がきちんとやっているかどうかを、保証するものではありませんが)
(「あなたにピッタリの保険が必ず見つかります」って、もしかしたらコンプラ違反かもしれませんね。)

では金融系以外の商品やサービスではどうでしょう。
100%<メリット強調営業>ではいけないのでしょうか。

プロ野球に例えると、これまでにパーフェクトピッチングしたピッチャーは何人かいます。
しかし、登板前に「今日、オレはパーフェクトゲームを達成するから見ておれ」と宣言してパーフェクトピッチングをしたピッチャーはいないはずです。(漫画ではいるかも)

先発を任されるプロのエースピッチャーであれば、潜在的にでもパーフェクトピッチングを想定して練習して、ゲームに臨んでいるかもしれません。

しかし、パーフェクトピッチングはあくまで結果であり、相手のふがいなさや運の良さに助けられる要素が多少なりともあると思います。

少々強引かもしれませんが、100%<メリット強調営業>は「今日、オレはパーフェクトゲームを達成するから見ておれ」と宣言してしまう思い上がったピッチャーと被ります。

なぜ今回、このようなお話しになったかというと、少し前に喫茶店にて営業マンの反省会を耳にしてしまったことがキッカケです。

営業部長と営業マンらしきペアで同行営業をした後の反省会のようで、業種は定かではありませんが、その営業部長らしき人が「あそこであんなこと言うことねぇだろ。事実だとしてもそれは俺たちが知っていればいいことであって、お客に言うことではない」と営業マンを叱責していました。

雰囲気からの勝手な想像ですが、営業マンは若手という感じではなく、致命的なNGワードを言ってしまったとは考えづらかったので、営業部長がひとつふたつ営業マンが言ったデメリットに突っ込み叱責しているようでした。

このふたりが保険営業でないことを祈りますが(そんな感じではなかった)、ひとつふたつのデメリット提示は商談のスパイスになり、却って信用を得られる効果がある思います。

しかし、この営業部長は「メリットだけ提示して余計なことは言わなくていい。相手はよく分かっていないんだから」というオーラを醸し出していました。

メリットばかり言ってくる営業マンは「いいことばっかり言いやがって」と信用できないのは、生命保険に長年携わってきた人間の職業病のようなものでしょうか。

いや、そうではないですよね。
パーフェクトを宣言してパーフェクトをやってしまうピッチャーが皆無であることと同じく、ある期間使う商品やサービスが完璧に見えても必ずどこかに齟齬となる可能性を秘めており、それをきちんと提示してくれる人は信用できますが、いいことばかり言ってくるヤツは、やっぱり信用できません。

デメリットをきちんと提示できるということは、それ以上のメリットが提供できる可能性が高いということであり、そうでなければ、メリット以上の大きなデメリットがある可能性が極めて高い、と思った方がいいと思います。

他にもいろいろ書いています。
ご興味があればお立ち寄り下さい。

保険選びネット
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7586.htm

<具体的な商品の比較など月一で書いています(ほぼ月末更新)>
終身介護保険の新商品と旧商品を比較しています。

ヤフー知恵袋
http://my.chiebukuro.yahoo.co.jp/my/shigotonin38
<知恵ノートはほぼ月二で随時更新、生保関連の質問にも答えています>
ご指名の質問大歓迎です。

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