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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

がん保険はあくまでオプション1

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日本人の二人に一人はがんに罹ると言われています。
食生活の欧米化、高齢化、そして早期発見の機会が増えたことなど要因はいろいろ
考えられます。

ただ、早期発見や治療技術の飛躍的な進歩があり、がんが「不治の病」という認識は
数十年前に比べて大幅に薄れているのも事実です。

三十年前のドラマなどでは「がんの告知=数か月以内の死」という図式でストーリー
が成り立つものが多かったように思いますが、現在そんなストーリーをつくる作家さん
はいないでしょう。

身内の話で恐縮ですが、女性特有の甲状腺のがんに罹ってしまった後に比較的早期に
摘出して現在も元気な女性が二人います。
一人は以前保険の仕事を一緒にしており、今でもショップの店長でバリバリに働いて
いる40代の女性ともうひとりは70代の実母です。

アフラック(アメリカンファミリー保険会社)が三十年以上前に日本に上陸した時は
「がんの告知=数か月以内の死」という図式が成り立っていた時代で、同社は地元の
アメリカ合衆国より日本にて会社を大きくして、がん保険を本国に逆輸入させたので
す。(セブンイレブンより先かもしれません)

21世紀の今日、がんだから特別医療費が嵩む、死亡率が高い、ということはない、とい
うのが実情ではないでしょうか。

つまり、他の疾病と同じ認識ですので通常の医療(入院)保険で担保すればいい、とい
うスタンスであります。

事実、自分ではがん保険には加入しておりませんし、営業の現場でも勧めたことは一度
もありません。
ただ、お客様からの要望がありましたので最善のがん保険はどれなのか分析して、販売
したことは多々あります。

実は「しごとにん」として2005年にWEBデビューしたのですが、そのデビュー作が
「がんになると困ってしますがん保険」というタイトルでした。
www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7106.htm

「生命保険選びネット」という少々マニアックサイトで、今でも月一ペースで主に商品
の比較や論評などを書いております。
http://www.hoken-erabi.net/
(このサイト内で「しごとにん」で検索するといっぱい出てきます)

「がんになると困ってしますがん保険」についてはリンク先を読んでいただければと
思いますが、簡単にお話しするとアフラックのがん保険において、がん保険で一番おい
しい「診断給付金」が一回しか出ない(再発の場合給付なし、他社はあるところが多い)
ところを取り上げました。

ただ診断給付金が一回しか出ないだけなら、いちいち取り上げませんが、当時アフラッ
クには入院保険をがん保険の特約として付加する「特約MAX」というのがありました。
主契約(メイン)ががん保険で特約(サブ)が入院保険です。
ということは、入院保険を残してがん保険を解約することができないのです。
(逆はOKですが)

「特約MAX」は単品の入院保険より割安で、アフラックは戦略的にがん保険ユーザーに
重ね売りすることでかなり件数を伸ばしました。
「特約MAX」つきのがん保険加入者ががんになると、当然診断給付金がもらえて入院や
手術をすればその給付もあります。

問題はそのあとです。
一番おいしい「診断給付金」はもう二度とでないがん保険は「出がらし」のようなもので、
解約しようか、と思うケース、というか選択肢があります。
しかし、入院保険はできれば続けたい。
でもがん保険は「出がらし」。
入院保険を残すには、がん保険を残すしかない。
新規に別口で入院保険に加入するのは不可能(がんになったばっかりですので)。
さて、どうしましょう。
これが「がんになると困ってしますがん保険」です。

現在は当時と状況が変わり、アフラックは「EVER(現在は『新EVER』」が強力な
単品の医療(入院)保険に育ちましたので「特約MAX」を販売しておりませんが、6年
前はまだ販売していましたので、問題提起しました。

がん保険の各商品については上記で紹介した「生命保険選びネット」で検索してみて下さ
い。(「しごとにん」も結構書いてますよ)

次回は、現状においてがん保険を選ぶ留意点を少し掘り下げます。

 

少々宣伝です。
「生命保険選びネット」は毎月後半に更新されます。
「しごとにん」以外にもたくさんの論客がいますので、生命保険選びの参考にして
下さい。
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