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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

超円高の今が海外インフラ資産の購入を進める好機

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本日は1ドル75円台に突入し、史上最高の円高を記録しました。この1ヶ月ほど、常々思ってきました。今こそこの円高を生かして、海外のインフラ資産を購入するべきではないかと。

特にメーカーさんはそうだと思います。本業に関連のあるインフラ資産の購入は、後々本業の発展にも資するでしょう。手元資金の有意な運用という意味でも一考の余地があります。

■投資対象になりうるインフラ資産

インフラ資産を購入するとは、簡単に言うと以下のような対象への投資です。

・インフラ事業に特化した企業(欧州の空港運営会社が典型)に出資する
・PPPでインフラ事業を運営する特別目的会社の株式を既存出資者から買い取る(有料道路、上下水道、空港、発電、海水淡水化などのSPCの株式がセカンダリーマーケットで売りに出された際に買い取る)
・上下水道事業などの国際競争入札にオペレーターとして参加している中堅企業に出資する、あるいは買収する

その他、以下のようなインフラファンド経由の投資もあります。

・欧米豪系インフラファンド立ち上げ時の募集に参加する
・欧米豪系インフラファンドへの既存投資家が持分を売り出す際に買い取る
・豪州などの株式市場で公開されているインフラファンドへ市場を通じて投資
・内外の金融機関とともにインフラファンドを立ち上げる

インフラ事業一般にIRRで見た場合のリターンが10%台半ばから20%台半ばで運営されています。それ以下だとプロジェクトファイナンスの融資が下りません。現状動いているインフラ事業は、そうしたリターンを実現するものとして設計され、投資回収を行っている真っ最中だと思ってよいと思います。
IRRが例えば15%なら、プロジェクトファイナンスで5%の金利が設定されても、残り10%が出資者側に来ます。一方で、出資者は通例、総事業費の2〜3割を出資するだけなので(残りはプロジェクトファイナンスの融資なので)、「残り10%」を得るための元手が総事業費の2〜3割で済む、すなわちレバレッジが効きます。従って株式投資で言う投資収益率は10%台後半〜20%前後になると思います。

インフラ事業をまっさらな状態から手がけるのがグリーンフィールド、すでに動いているインフラ事業に投資するのがブラウンフィールド。リターンは無論、リスクが大きいグリーンフィールドに投資した方が大きいわけですが、グリーンフィールドに投資するとはすなわち、外国政府が行うPPP競争入札案件に「勝つ」ことが前提となり、投資機会が確実に得られるかどうかという意味ではやや覚束ないところがあります。

それに対してブラウンフィールドは、グリーンフィールドに対してリターンがマイルドになるものの、相対で売り買いされている「マーケット」を突き止めることができさえすれば、投資機会は潤沢にあります。
なお、ブラウンフィールドではすでに事業が動いているので、初期投資をしたものの施設が完成しなかったという完工リスクはなく、プロジェクトのリスクは緩和されています。その分リターンも少ないわけですが。

■これから売りに出される可能性大

日本からこうした対象に投資するには、日本で投資案件の情報が流通していないため、欧州〜中東〜豪州〜アジアの投資情報共有コミュニティに入れてもらう必要があると思います。当たり前のことですが、潜在的な投資家を排除する世界ではないので、投資する意向があるとはっきり打ち出してアプローチするならば、どこでも胸襟を開いてくれると思います。間に第三者をかませるよりは、ダイレクトに投資情報共有コミュニティにアクセスする方が、情報の量や入手の速度という点で好ましいでしょう。

現在、欧米の金融機関がやや厳しい状況に置かれています。従って、プロジェクトファイナンスで融資しているインフラ案件に対して返済を急ぐように要請したり、負債でインフラ案件に投資しているファンドなどに対してやはり早期返済を求めたりする可能性があります。すなわち、案件が売りに出される可能性があります。

現在の円高は、日本企業全般にとって、このようにして売りに出されるであろうインフラ案件を購入するのに非常によい機会ではないかと思います。

最後に宣伝になりますが、ご用命いただければ、どこへでも飛んで投資情報コミュニティにアクセスできるパスを見つけて参ります。

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