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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[メモ] 世界の太陽光発電は原発40基分、うち43%はドイツにある

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EUで太陽光発電を推進する団体European Photovoltaic Industry Association(欧州太陽光発電産業協会)が公開している報告書"Global Market Outlook for Photovoltaics Until 2015"(2015年までの太陽光発電の世界市場見通し)によると、2010年までに世界で導入された太陽光発電の発電容量は39,529MW(メガワット)。標準的な原発が1基100万kW=1,000MWですから約40基分ということになります。

このうち74%の29,252MWがEUにあります。この集中ぶりはEU域内で太陽光発電の導入促進政策である全量固定価格買取制度(フィードインタリフ)が非常に効いているということを示しているでしょう。

2000年〜2010年の世界の太陽光発電の設置容量(単位MW)

Cumulative_installed_cap

出典:European Photovoltaic Industry Association

さらに驚くべきことに、EUの29,252MWのうち、58.7%の17,193MWがドイツにあります。2位のスペインが3,784MWで12.9%、3位のイタリアがほぼ同量の3,494MWで11.9%ですから、ドイツの大きさが際だっています。世界全体で言うと43.5%がドイツにあるということになります。

ドイツの最近の太陽光発電の増え方がいかに急ピッチであったか、Wikipediaからデータを取ってみると、以下の通り。2008年から2009年にかけては約4,000MW、2009年から2010年にかけては約7,500MWという猛烈な増え方になっています。ちなみに日本の昨年の国内出荷(住宅用が8割強)は1,000MW強

ドイツの太陽光発電の設置容量の伸び(単位MW)

Germany_cumulative

出典:Wikipedia: Solar power in Germany

欧州系太陽光専門サイトのこの記事が掲げている2009年12月の増え方を見ると、ラッシュとしか言いようがないですね。

全量固定価格買取制度はたしかに再生可能エネルギーの設置容量を増やす効果はあるわけですが、このような猛烈な集中投資を生むということも忘れてはならないと思います。

やや刺激的なのは、ドイツでこれだけ多くの太陽光発電(設置容量ベースで原発17基分)が導入されていながら、実際に発電された電力量で言うと、同国全体の消費のわずか2%しかまかなっていないという事実です。

ドイツの太陽光発電の発電量が電力総消費に占める比率(%)

Germany2

出典:Wikipedia: Solar power in Germany

最近必要があって再生可能エネルギーの周辺を調べていますが、太陽光発電の発電容量(設置容量)に対する実際の発電電力量の小ささが非常に気になっています。

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