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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

バッテリージャパンで見た川崎重工業のユニークなライトレールSWIMO

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東京ビッグサイトで二次電池を中心にした展示会「バッテリージャパン」と「スマートグリッドEXPO」が開かれていたので、最終日に場内を回ってみました。今回はその中でももっとも興味深かった展示、川崎重工業の「SWIMO」をご紹介します。

現在、産業分野で二次電池(繰り返し充電して使える電池)と言えばリチウムイオン電池が主流なわけですが、川崎重工ではそのトレンドからは距離を置いて、大容量のニッケル水素電池「ギガセル」を商品化しています(ニッケル水素電池とは、民生分野では三洋の「エネループ」でおなじみです)。

ギガセルには、セル(電池1ユニット)を組み合わせることによって大容量化が容易、空冷ファンを内蔵しているため、普通は過熱する大電流での充電ができ、高速な充電が可能という特徴がありますライトレールの動力車、風力発電など不安定な発電を組み入れた際の系統安定化、地上蓄電設備などの用途に向きます。

ライトレールのSWIMOは、ギガセルを座席の下にセットしています。ギガセルからの給電で10km走行した場合、停車駅に架線などの充電可能な設備があれば、3〜5分で充電が済みます(SWIMOはパンタグラフも備える)。これほどの高速充電はリチウムイオン電池には真似のできない世界です。

また、ブレーキ作動時に出るエネルギーを電力として取り出し(回生電力)、それもまたギガセルに蓄えることができます。回生電力だけで電車走行に必要な電力の30〜40%を賄えるそうです。

非常にユニークな位置づけにあるライトレールと言うことができるでしょう。

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