オルタナティブ・ブログ > インフラコモンズ今泉の多方面ブログ >

株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[Kindle][電子書籍]すでに始まっている章単位の販売

»

やや旧聞ですがKindle関連の動向を調べていた際に見つけたネタをシェアします。

Harvard Business Review PressMcGraw-HillとはKindle用に「章単位の販売」をすでに始めています。
物理的な本は1冊丸ごと買うほかありませんが、電子出版では、ファイルを章単位で小分けで売ることが可能なわけで、それを実際にやってしまったというケース。

Harvard Business Review Pressは試験的に10タイトルの中から全部で117章分を。著作権が切れそうな過去の名論文とかではなくて、最新の論文や記事から選んでいるそうです。同社はこれにより、取引先との会議に向かう途中などで経営者にささっと読んでもらい、会議の参考にしてもらう…というような用途を考えているそうです。HBRの刊行物の常として、過去の関連記事・論文が必ず挙げられていますからクロスセルが可能になるということもあるようです。1章分が3ドル強。お得感がありますね。

McGraw-Hillの方は、過去のビジネス書の名作を章単位で販売するそうです。対象になる書籍は、"Security Analysis" (Benjamin Graham and David Dodd)、"When Markets Collide" (Mohamed El-Erian)、"The Six Sigma Way" (Peter Pande, Robert P. Neuman, and Roland R. Cavanagh)、"Lean Six Sigma" (Michael George)など。過去にかなり売れた本のようで、章単位でも売れると踏んだのでしょうね。
端末はKindleに特化しているわけではなく、iPhoneやNook(Barns&Nobleの電子書籍端末)に対応した版も用意するとのこと。同社サイト経由でも売るそうです。

余談ですが、債権ボンド最大手ピムコのCEO Mohamed El-Erianが書いた"When Markets Collide"は池田信夫氏が激賞しておられたので、私も買って読んでみました。8割方読破で、2008年9月の世界金融危機発生のメカニズムがおおよそ理解できました。中国など新興国に膨大な貯蓄があり、投資先・運用先がなく、それが投資銀行が手がける複雑なデリバティブ商品に回ってしまったというのが根本原因。


Comment(0)