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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

「日本刀が欲しい」と彼は言った

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Merrill LynchとCapgeminiが毎年出している「World Wealth Report」の2007版によれば、100万ドル以上の金融資産がある個人は世界に950万人。2006年から11.4%増えているそうです。過去何年かのレポートをざっと確認すると、増加基調が手堅いものであることがわかると思います。サブプライムローン問題をこなして、2008年版でもおそらく2ケタの増加が見られるのではないかと思っています。もちろん、日、米、西欧以外の国で増加ペースが激しいわけですね。
グローバル経済の発展は、新しい富の実現の道を生み、High Net Worthを継続的に増やしていっています。

「海外の富裕層に日本から売れるものはないのか」ということを考えてみました。
私の身近にいるHNWの外国人の方が先日いきなり「日本刀を買って帰りたい」と言い出して、外人に対応してくれる日本刀ショップを探すという経験をしました。彼は例えばポルシェを数台持っていたりします。
探してみると、英語できちんと店舗の情報を出している店はあまりなく、さらに通信販売に対応している店はほとんどありません。通販とはもちろん国外からの注文に応じる通販です。

HNWのモノに対するニーズを自分と引き比べて”差”で考えるのは正しくありません。例えば、「日本刀が欲しい」と言った時、本人の頭にある予算は普通数万ドルです。骨董的な価値がある日本刀にはそれぐらい出して当然だという発想があります。それを彼と我の差で考えると、ビジネス的に正しい方向が得られない。
彼の側に立って考えると、例えば、日本の歴史に興味があり、家に日本の歴史に関わる何かを置きたいと思っていて、在住している米国ではよい品が買えないから日本に来ている間にリアルなショップに行って品定めしたい…。という単にそれだけの素朴な思いなのです。

家を建てた。広い部屋がいくつもある。1つの部屋はオリエンタル趣味でまとめたい。日本のゴージャスな友禅を着物掛に掛けて2つ3つ置いてみたい。といったニーズはおそらく普遍的にあります。その友禅はもちろんOh! Japan!的な意匠でなければならず、高ければ高いほどいいのです。なぜなら友人に自慢できるから。

海外の多くの富裕層にとって「日本」はすでにブランドであるはずです。

ということで、海外の富裕層に対して、日本から通販で売れそうなものを考えてみました。

1. 漆器の家具
2. 着物
3. 骨董

この3本ですかね。部屋に置けて、日本感覚を満喫できるものと言うと。価格帯は数万ドルから数十万ドルといったところでしょうか。

これを通信販売で売るのです。なぜ通販か?現在HNWがハイペースで増えつつある国々には、そうした品を買える店はおそらくまったくなく、彼らがリーチできるのはネット上のショップしかないからです。梱包や物流の専門企業としっかりと準備をし、運搬中の保険なども工夫して、しっかりとしたサイトを作り、正攻法のマーケティングをすれば、ビジネスとしてごくごく普通に成り立つのではないかと思います。(年商数百億円は無理としても、2ケタ億円台前半ぐらいなら狙えると思います。)しっかりとした英語対応ができるコールセンターを用意しなければなりませんね。

最大手のショッピングモール企業さんと最大手の物流企業さんあたりが提携でやると、すごくいいと思います。

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