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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

日本企業の合意形成にかかるコスト

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IT導入のリターンを数値化する手法の1つに、アプリケーションを使うことで短縮できた時間をカウントし、それを人件費に換算して投資金額と比較してみたり、投資回収期間の長短で判断したり、というものがあります。

思うに(私が言うのも僭越ですが)、日本の企業の営業部門は非常によくやっており、売上を上げるという意味ではたぶん合格点をつけられるところが多いように見受けます。利益を圧迫しているのは、それ以外の部分、特に合意形成、社内調整、特例的なケースに対する過度の対応(非標準プロセスの多さ)、といった部分ではないかと思うのです。

こうしたことにかかっている時間をモデルケースでカウントして、人件費に換算してコストとして取り出すと、おそらく1社1社で膨大な金額になると思います。
ファシリティマネジメントで圧縮できるコスト(ファシリティマネジメントをしっかりとやると従業員1人につき年収の10~20%ぐらいのコスト圧縮が可能だとされています)や、IT方策で効率化できるコストをはるかに上回る、桁が2つぐらい違う金額が出るのではないでしょうか?年収の高い中間管理職以上で合意形成等が行われているわけなので、たぶんすごい金額だと思います。これを個々の産業レベル、国レベルで積算すると、その巨額さのゆえに日本の国際競争力を弱めている真因として特定できる可能性”も”あります。

意思決定に時間がかかるのは日本の文化なのですぐに改めるというわけにはいかないけれども(和をもって尊しと成す)、国際競争力を殺ぐ要因であると捉え、数字でそのネガティブインパクトを示せば、どの会社においても「おっしゃ、やるしかないか」となるのではないかと思うのですが。

日本の生産性向上に取り組まれている方々、モデルケースで算出してみるのはいかがでしょうか?国の予算をつける価値もありますね。費用便益高からん。

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