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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

McKinsey Quarterlyが選ぶ「注目すべき8つの技術トレンド」

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またまたMcKinsey Quarterlyネタです。以下の記事を教えてくれる人があったので、ざっと目を通して見ました。今年12月のもの。

Eight business technology trends to watch

この記事の筆者が着目しているのは、ITによって可能になる新しい仕事のやり方です。ITの要素技術ではありません。順番に掲げると…。

Managng relationships部門
1. Distributing cocreation
 いわゆる共創を広い範囲で行うということですね。

2. Using consumers as innovators
 これはそのまんま消費者参加型イノベーション。

3. Tapping into a world of talent
 タレントを会社の外に求める。国を超えて。

4. Extracting more value from interactions
 McKinsey Quarterlyが以前から主張していた"Tacit Interactions"を指しています。"Tacit Interactions"を行うワーカーの生産性を高めることで、企業価値はいやが上にも高まるという考え方。

Managing capital and assets部門
5. Expanding the frontiers of automation
 いままで自動化できなかった部分に自動化を適用する。RFIDによって物流を効率化するのが典型。

6. Unbundling production from delivery
 これまでひとかたまりで提供されてきたものにアンバンドリングを適用する。これによって必要な時に必要な分だけ調達できるようになる。

Leveraging information in new ways部門
7. Putting more scienece into management
 大量の情報をかしこく使って企業価値を上げる…といったところ。

8. Managing busineses from information
 従来あった買い手と売り手の間の情報の非対称性を埋めることで不利だった当事者に価値を与える、といった世界。7番との区分がいまいちあいまい。

Managng relationships部門は、一言で言えばオープンイノベーションの世界ですね。Managing capital and assets部門は、これまで流動性がなかったモノなどに流動性を持たせることで広がる世界。Leveraging information in new ways部門は、大量の情報を処理した結果を人が工夫して使うことで新しいビジネスにつながるという世界です。

全体としては、あまり目新しいものはないですね(爆。

個々の項目に参考書籍が掲げられています。驚いたのは、そのほとんどが邦訳が出ているということですね(リストは元記事にあたってくださいね)。つまり、McKinsey Quarterlyの筆者が着目すべきと考えているトレンドは、ほぼすべてが邦訳された単行本で読めるということです。雑誌記事ではなく出版にリードタイムが必要な単行本でですよ。すごいぞ日本の出版界。

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