「Googleのコールセンターから電話」のてんまつ
1年半ぶりで米国に行きましたが、あちらはTreo天国ですね。空港で、オフィスで、ホテルで。どこでも小さな画面とにらめっこしている人をたくさん見ました。ちなみにTreoとは、Palm OS搭載のPDAにQWERTYのフルキーボード、携帯電話機能、インターネットアクセス機能などが合わさったものです。
自分の認識では、米国のモバイル文化はひどく遅れていて、まだまだ日本に追いついていないと思っていたのですが、すでにW-ZERO3の域には達しています。ヒマな時間があるとすぐにメールをチェックするスタイルも、普通に浸透しています。加えて、ワイヤレスの小さなヘッドセットをつけて、目の前にいる見えない人と話をするという、日本にはない習慣もあります。(このビデオを見ると、途中で女性が空に向かって話している姿が出てきます。そのスタイルを常態にしている人が一部にはいます。スキンヘッドだったりすると、完璧にスタートレックです)
先日書いた「Googleの検索をしていたらコールセンターから電話がかかってきた」という件ですが、真相がほぼ判明しました。
まず、今回のAptosのイベントで、夜の飲み会の際に、その話をしてくれたJ.G.というVice Presidentに確認をしてみたのですが、こちらも相当にできあがった後であり、あちらもそれなりに酔っていたようで、意味のあるコメントでは「自分が使っていたのはGoogleの『Find Me』というサービスだった」というものぐらいしか聴けませんでした。
今日の夜7時ぐらいから一生懸命「Googleの『Find Me』」を探してみましたが、そんなもの、どこにもありませんでしたよ(爆。
そこで、それらしきサービスが"何でできあがっていたのか"をしつこく調べてみましたが、おおよそ以下が真相のようです。
・彼のTreoには、"Google Map for Mobile"がインストールしてあり、それで自宅から空港までのルートを検索したり、道路の混雑状況なんかをチェックしていた。
(Treoなどのモバイル端末で"Google Map for Mobile"を使うとどんな具合になるかは、このビデオを見るとすごくよくわかります。日本のauのEZナビとはまた一線を画した、非常に軽快なつくりです。もともとGoogle Mapであるわけだし)
・"Google Map for Mobile"では、Click-to-talkという機能が使える。これは、Google Map上の広告クライアントが地図上の表示にClick-to-talkを仕込んでおくと、①ユーザーがその仕込をクリックして、自分の電話番号を入力することにより、②後述するVoIP Inc.のテクノロジーを使って、③まず広告クライアントに電話をつなぎ、④広告クライアントからユーザーに電話をかける形で、両者が話を始めることができるようになる、というもの。Click-to-callの詳細はここ。
・Click-to-talkを使ったJ.G.氏が、背景のテクノロジーをあまりよく理解できずに、Googleから電話がかかってきたと思った。
・その話を日本にきてわれわれに吹聴した。
そんな流れだったようです。J.G.氏はグローバルレベルの非常に優秀なコンサルタントですが(某社で某業界の某や某を歴任)、年代がやや上であり、テクの細かなところはあまり気を留めない方のようです。。。
ということで、電話はコールセンターからかかってきたのではなく、Click-to-talkで顧客からのコンタクトを待ち構えていた広告クライアントからのものだったらしい、というのが私の推論です。J.G.氏は自分から見ればかなりエラい方なので、「実はこれが真相なんですよね?」と改めて念を押す勇気は自分にはありません。。。こんなところでご容赦くださいませ(_ _)。
しかし、ユーザーが承諾を与えた場合には、何らかの検索行動の後で瞬時にコールセンターのオペレーターが電話をかけてきて、「あなたが探しているその商品よりも、こんないい商品があるけれど、どう?」とやるのは、依然としてありな気がします。また、GoogleがMichiganに建設していたと伝えられるコールセンターが何をやろうとしているのか、依然として謎は残ります。
なお、Click-to-callの技術は、VoIP Inc.という会社が提供しており、1コールにつきいくらという形でGoogleから支払いがあるとのことです。当然Gooleは、それに広告費などを上乗せした金額を広告クライアントに請求している模様です。