Napsterで見つけたロックの名曲:Cinnamon Girl - Neil Young
Neil Youngのものすごくよいリスナーかと言えば、そうではないと思います。上には上がいます。奈良美智氏。
われわれの世代だと、Niel Youngを初めて聴いたのは「孤独の旅路」(Heart of Gold)からという人が多いと思います。それなりにヒットしました。ただあの歌はきちんと聴いてみるとつまんないんですね。アルバム「After the Gold Rush」にはもっといい歌が入っていました。Southern ManとかWhen You Dance You Can Really Loveとか。「孤独の旅路」がヒットしたのはレコード会社のてこ入れがあったからでしょう。今で言うヘビーローテーションみたいなかかり方がしていた記憶があります。AMラジオでです。
Niel Youngは実は「After the Gold Rush」よりも前の作品が非常に渋く、Down By The River、タイトルに掲げたCinnamon Girl、Cowgirl in the Sandが特にいいです。
いずれも、Neil Youngがピンで出る前のユニットNeil Young & Crazy Horseとしてリリースした「Everybody Knows This Is Nowhere」(邦題「ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース」)に入っています。
この時期の作品にまともに接したのは実は時代がかなり下って、往年のNapsterの頃でした(97年~98年頃だったか)。上記の3曲やその他の初期の曲を初めてじっくり聴いて、おぉいいではないかと思いました。
入手できたファイルのなかにDown By The Riverのライブバージョンがあり(当時はとりあえず非合法という感じはなかったので、あしからず…)、やたらめったよかったです。
そしてわかったのが、Neil Young本人のギターのすごさ。90年代も後半になって初めて彼のギターのすごさがわかるというのは、ぜんぜんよいリスナーではなかったということです。
彼のがちゃがちゃかき鳴らすギターはたまりませんねー。うるさい、いがいがしている、洗練されていない、田舎くさい、けれども骨があって男くさい。そういうギターです。
こうしたNeil Youngのよさ、すごさを初期の頃からリアルタイムで理解していたのが、かの奈良美智氏です。彼と遊んでいた当時、79年頃か。彼の部屋に行くと、いつも初期のNiel Youngがかかっていたように記憶しています。
そして2000年頃、ある雑誌で彼のドイツのアトリエにおける創作ぶりがレポートされていたなかで、ラジカセからNiel Youngを流しながら描いているというくだりがあって、おぉと思いました。
その一貫した態度。すごいです。
彼は高校の頃から、同じ曲を何度も何度も繰り返して聴くスタイルを持っていて、後年、自分もそれを真似っこして、いいと思った曲を何度も何度も繰り返し聴くようになりました。
そうですね。ほれ込んだ曲はだいたい、その時期に集中的に100回ぐらい聴くという感じです。朝に夕に。最近だとそういう聴き方をした曲にスガシカオの「午後のパレード」、宇多田ヒカルの「Keep Tryin'」があります。そんな風になりかけていたのがUnderworldの「Two Months Off」。
そういう聴き方をすると、いずれは飽きがくるわけですが、飽きの時期が過ぎると、自分の「マインド内永久アーカイブ」に入った格好になり、生涯つきあっていくことのできる楽曲となるわけです。
現在のNapsterではひとつひとつの楽曲に対してURLを生成し、リンクすることができるようになっているということを先日知りました。なんとすごいこと!ちなみに、
これがCinnamon Girl。これがDown by the River。これがCow Girl in the Sand。ギターが燃えますよね。(リンクが機能しないケースがあるそうです。その場合はNapsterのアプリケーションをインストールして検索して聴いてみてください。フルコーラス試聴できます)
先日夜中にケーブルテレビの音楽系チャンネルを何気なくひねったら、Niel Youngの近年のライブツアーをドキュメンタリー風に撮った映画でした。なんとCrazy Horseと今でも一緒にツアーをやっているんです。また、よれよれではあるけれど、Niel Young本人のギターも基本的なスタイルは変わっておらず、うるさい、いがいがしている、洗練されていない、田舎くさい、けれども骨があって男くさい、という特徴がはっきりと認められたのがすごいです。
その一貫した態度。すごいです。