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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

産経新聞のizaと情報食物連鎖

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ふと思ったのですが。
われわれ個人がブログを書くという行為は、食物連鎖における第一次消費者のような行為ではないかと。

現在のように、情報の絶対量が爆発的に増えている時代においては、事業として情報を継続的に送り出している情報生産者のものすごい量の情報を、まず生身の個人がインプットして何がしかを感じ、考え、それをアウトプットすることが必要で、それがないと連鎖が動きません。
個人がブログを書く行為が食物連鎖における第一次消費者に似た役割を果たし、その第一次消費者のアウトプットを”食べる”第二次消費者がいる。これはたぶん何らかの”流行り”のような集団的な動き(あるいは膨大なROMの存在)。そしてこの動きを”食べる”第三次消費者がいて、それは業として情報を送り出している情報生産者という格好になるでしょうか?(細かく考えるとやや違和感がありますが)そこからまた第一次消費者であるブログ書きの人に回ってきます。

こうした食物連鎖として情報の消費を捉えると、生産者の情報が有用であるためには、連鎖に”よく”乗らなければなりません。つまり、できるだけ多くの個人によって「まずブログに書かれる」ことがなければ、それは誰にも届かないものとなってしまいます。誰にも読まれない情報は、つまるところ価値が発揮できないわけで、事業になりえないわけです。

と考えてくると、産経新聞が最近始めたizaの存在がものすごく際立ったものに思えてきます。(このサイトは、吉川さんの投稿で知りました)

izaでは個々の新聞記事に対して、トラックバックがかけられるようになっており、要はブログ書きの人たちを引き寄せます。読まれやすいし、引用によって追加的な読者を獲得しやすい構造があります。情報の食物連鎖が加速化する構造を持っています。自分が知る限り、世界でもっともWeb 2.0的な行き方をしている新聞系メディアだと思います。この方向設定は、絶賛してよい英断です。

これに対して、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞のウェブサイトは従来型の一対多配信を行っており、産経新聞のizaとの対比では、情報の食物連鎖に非常に乗りにくい構造があります。1年ぐらいすると、朝日新聞のページビューをizaが抜くような気が…。

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