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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

Malcom Baldrige系サービス向上PDCAプログラム

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別件で事例としてのRitz Carltonをにわか研究しています。
同社はMalcolm Baldrige National Quality Awardを92年と99年の2回受賞しています。この賞は80年代の日本の製造業のものすごいパワーに学べということで、当時の商務長官Malcolm Baldrigeが主導し、国家的な取り組みとして品質改善プログラムを走らせようという狙いのもとに制定されました。
単に賞を出すだけでなく、品質改善の具体的な手法を開発するプロジェクトも背後に存在しており、米国商務省下部組織NISTのお墨付きを得た”品質改善PDCA”がどの企業でも導入できるようになっています。
注目すべきは、その品質改善の対象に、広義の「サービス」が含まれているということです。

Ritz Carlton関連の資料を少し読むと、Malcom Baldrigeの品質改善プログラムを全世界で常時動かしている、という意味の記述に出くわします。Ritz Carltonの伝説的なサービス、一度受けたら誰もが忘れられなくなるサービスの背後に、そうした科学的な改善プログラムの恒常的な実施があるわけです。そのプログラムの現物が、NIST下Baldrige National Quality Programが刊行している"Criteria for Performance Excellence"なんですね(特にそのBusiness向けのやつ)。けっこう分厚い取り組みマニュアルになっています。

サービスサイエンスが個々の企業で取り組み可能なものになるには、やぱし定量化が不可欠であり(ドラッカー翁の言うように、定量化できなければマネジメントできない)、PDCAサイクル的なものも不可欠です。
それを、この"Criteria for Performance Excellence"は、きちんと体系立ててやっているわけですね(自己診断用チェックシート→各項目のスコアリングにより、改善対象がわかる→改善指針が記述されている。PDCAとして定常的に回せる)。無論、このマニュアルがサービスサイエンスの全体を網羅するわけはないですが、こういう風なアプローチは大事かと思います。

似たような位置づけの取り組みマニュアルに、IT Governance Instituteが刊行している"Control Objectives for Information and related Technology"があります。

サービスと言い、IT Governanceと言い、こうした無形の体系的な価値を、現実的な改善取り組みプログラムに落とし込んで、フォーマットを業界全体で共有するという能力は、米国がすごいです。

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