David Imaizumi, CEO of JC-CJ at Boston, a cryptocurrency issuing company, writes all about next generation cryptocurrency and the like. 仮想貨幣発行会社JC-CJ(本社ボストン)CEOの今泉大輔がJCやその他の仮想貨幣について書きまくります。

スタティックではない特許の基準

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そのセミナーで特許庁の審査官だった方2名、および弁理士歴20年近い方のお話を伺うと、いろいろなことが判明してきました。前提という意味で記しておきます。

一番衝撃的だったのは、特許の審査基準は常に動いているということです。簡単に言えば、昨年特許として認められていたものが、今年出願した場合には特許にならないという場合もあるということです(先願があるからという意味ではなく)。
小泉さんが首相になってから、日本も知財立国を掲げるようになりました。現在の環境では知財立国=インターナショナルな特許制度と整合性を持たせるということですから、特許関連の法制度の改正、特許庁の運用方針の軌道修正などが相次いで行われています。

2000年当時騒がれたビジネスモデルが特許になるという方針変更も、この流れのなかでなされたものです。ちなみに特許関連の人たちは、ビジネスモデル特許という言葉は使わずに、単に「方法の特許」と呼んでいます。(特許には、物の特許、方法の特許、製法の特許の3種類ある)

ビジネス方法特許の出願内容を特許庁のデータベースで調べてみると誰もが気づくことですが、「このやろー、こういうので特許になるのかよー!!!」(怒り心頭)というのが無数にあります。

当時は、ビジネス方法特許を特許として認めるという方針が確立してから、審査官の間でもどのへんまでを認めてどのへんからは拒絶するかという、特に「発明の発明たるゆえんであるところの『技術的な思想』」に関する見解が一致していなかったらしく、とりあえずトップの決断だから何でも特許にしちゃえ的な雰囲気があった模様で、①先願がなく、②出願の書式にはずれたところがなければ、どれでも特許として認められたという状況にあったようです。

こういうのはさすがに長く続かないようで、「ウチらこれでいいのか?」的な反省がなされるようになり、ビジネス方法特許であっても、他の諸分野の特許と同様に、志を高く持って、是は是とし、非は非としていこうではないかという軌道修正が行われるようになりました。
ビジネス方法特許を出願する場合、以前のように非常に安易な発想を淡々と記述するだけではまったく通らなくなり、さらに、特許出願の非常にテクニカルな項目上の条件を満たさないとダメになっています。
従って、現在の特許庁のデータベースで、過去に出願された内容を見て「これでも特許かよ、それならオレも出願して億万長者だ!」的な思いを抱くのは、まったくの勘違いということです。

こういった審査基準に関する方針転換は、特許庁内部の軌道修正以外に、諸外国との特許制度に関する情報交換(国際標準的なものへの摺り寄せ)、政府の知財立国政策の方向設定などによっても起こります。いずれにしても、特許審査基準は常に動いているということです。弁理士先生の話によると、ビジネス方法特許だけでなく、機械や化学の特許などでも審査基準はしばしば動いているそうです。
そのため、巷間にある特許関連の解説本を買ってきて、うむこれなら自分でも明細書を書けると息巻いても、その時々で微妙に動いている審査基準の微妙なところがわかっていないと、なぜか拒絶になってしまい、その理由が皆目わからないということも起こりえます。
審査基準のライブ感覚があるという意味で、弁理士先生は非常に貴重な存在だと思います。

今回はこのへんで。30分。

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