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ソフトウェアは私たちに幸福をもたらすことができるのか

105  いよいよ衆議院が選挙モード突入となり、Twitter界隈でも政治に関連した「つぶやき」が増えて来ました。また、Twitterでつぶやく国会議員(候補者)は「Twitter議員」と呼ばれ、「Twitter議員は政治を変えるか?」という視点は熱を帯び、「Twitterと政治」をテーマとしたイベントがいくつも開かれています。マスメディアでも、7月25日「日本経済新聞」朝刊1面にTwitterが登場。「東洋経済」の最新号でも取り上げられ、今朝の「Japan Times」でも大きな記事で紹介されるなど、日本の政治家がTwitterを活用し始めたことに対してにわかに注目と期待が集まっています。

 これほど盛り上がっている理由は、「Twitter議員」の一人逢坂誠二氏が党首討論の模様を実況中継したり、橋本岳氏が自民党の両院議員懇談会の内容をリアルタイム中継したり、藤末健三氏がメディアに先駆けて民主党のマニフェストを告知するなど、これまでにはなかったことが次々と起こって、そこに一般国民が参加できることで、政治家との距離を劇的に縮めていて、新しい時代の可能性が感じられるからでしょう。

104  この盛り上がりを受けて、これら政治家の発言をまとめて閲覧することのできるサイトも「ぽりったー」「日本の政治家@24o'clocks」など次々と登場している一方で、閣議は早々と「選挙期間中のTwitter使用は公選法違反」との判断を出すなど、周辺も巻き込んでの動きとなっています。


 しかし、ここで冷静に考えなくてはいけません。日本は議会制民主主義。良くも悪くも数の論理で物事が決まります。国会における「Twitter議員」の数は、今日現在7人※1。全国会議員(定数722人)の1/100にも満たない数、共産党議員の数にも満たない数です。まだまだ極めて少数派ですし、Twitter議員を認識しているTwitterユーザーもフォロー数最高の逢坂議員でも約5,800人。つまり、まだまだ今のTwitter議員が数のみで政治を変えられるところにははど遠く、それ以前に、Twitterがもっと多くの政治家と有権者を取り込むことができなければなりません。

 「Twitter議員が政治を変える」ためには、まず、この新しいコミュニケーションスタイルを自ら理解し活動に活かす政治家をもっと増やすことが必要ですが、これは容易なことではありません。なぜなら、そのためには議員本人がネットを理解し使いこなし、しかもTwitterのような即時性が重要なメディアではモバイル端末の活用が必要となりますが、それは今の年配を中心とした議員(候補)の方々には高いハードルとなることは明白だからです。そして、そのハードルを越えてでも実行しようというためには、「Twitterを活用すると票が集まる」という状況が必要ですが、Twitterの国内での月間訪問者数は約78万人※2、アクティブユーザー数は10万人※3と言われており票田としてはまだ小さいのです。


 しかし、私はいまの盛り上がりに水を差したい訳ではありません。むしろその逆。お祭りで終わらせてはいけません。


 「人の噂も75日」と言いますが、総選挙の投票日8月30日は奇しくも逢坂議員が党首討論を実況して話題になった日から75日。だからというわけではありませんが、総選挙を過ぎるとこの盛り上がりも一旦沈静化するでしょう。否定的な記事も出てくるのでしょう。しかし、今回の盛り上がりが、ネットを活用した新しい政治の時代の糸口になって欲しいと願うのです。

 そのためには、Twitterのような新しいネットの活用が多くの議員と有権者に受け入れられていくことが必要です。いま、Twitterで政治家との新しいコミュニケーションスタイルに興奮している人は、飽きることなく、地道に、この即時性と双方向性をもったITを駆使して政治家とのコミュニケーションを続け、積み重ねていって欲しいと願います。そうすることで、総選挙が終わっても、政治家のTwitter活用が続き、活用する政治家が増え、日本の政治を少しづつ変える力になると信じています。


※1 Wikipediaによる(2009/07/29 17:00現在)
※2 ネットレイティングス(2009/07/28発表)による
※3 The Japan Times July 29, 2009による

[更新:2009/07/29] Twitterユーザー数を最新情報に更新

平野洋一郎

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インフォテリア代表取締役社長/CEO。主力製品ASTERIAでシステム開発の新たな形を提案するとともに、OnSheetやHandbookなど新たな分野のソフトウェアに挑戦する。

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