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社内ブログは新しい社内コミュニケーションツールになるか?

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 小川さんのエントリ「社内Blogについて」を受けて。

 最近「社内ブログ」が話題ですが、インフォテリアでも、昨年8月から開発部門を中心に社内ブログを試験的に開始し、最近になって全社規模の社内ブログを正式スタートしました。(まだ、どこからも取材されていませんが(笑))

 さて、社内ブログは新しい社内コミュニケーションツールになるのか?

 「なる」というのが、実際に社内ブログの盛り上がりを目の当たりにしている私の実感です。

 インフォテリアの社内ブログは「ノン・スモーキングルーム」という名前ですが、これは、いわゆる「タバコ部屋」効果をイントラネット上で実現しようと意図してつけたものです。内容を全く制限しない自由な社内コミュニケーションの場となっています。仕事の話から趣味や遊びなど仕事に全く関係ない話までなんでも話題になっています。普通の経営者からすると、雑談の場が増えて「ちゃんと仕事しろ!」と感じるかも知れませんが、これがなかなか良い。私自身もこれまであまり話をできなかった人と距離感が縮まったのを実感していますし、この盛り上がりからして他のメンバーもそう感じていると思います。社内ブログはいろんな活用方法があるでしょうが、社内コミュニケーションツールとして使うには特定の人だけが書く一方通行のモデルではなく社員それぞれがブログを使うことが大切です。社員全員が参加するように、インフォテリアの社内ブログでは以下のような運用をしています。

書く内容を制限しない

 書く内容を仕事の話に制限したり、議事録や連絡事項などように様式を限定したりするととたんに書きにくくなります。さらに言うと、カテゴリ設定を会社で行わない(個人に任せる)とか、書く時間を制限しないなどといったことも大事です。(もし、長時間ブログだけ書いたり見たりしている人がいたら、「ずっとタバコ部屋にいる」状態になって、自然にツッコミが入るでしょう(笑))

 書く内容を全く制限しないと遊びばかりになってしまったり、時間の無駄と懸念する向きもあるかもしれませんが、それは社員を信用しなさすぎ。実際、インフォテリアの社内ブログでは結構ディープな仕事の話もされたりしています。

「会社のブログ」ではなく「自分のブログ」にする

  各社員のブログは命名もデザインも個人個人で自由に行っています。自分の趣味にあう名前やデザインにすることで、自分の持ち物という意識が高まって、「自分の」コミュニケーションツールになります。

モデレータを置く

 特に初期の段階では、モデレータの役割は重要です。管理という意味ではなく、多くのメンバーに参加してもらい盛り上げるためにです。どんなにきちんとしたルールをつくったり管理を行っても参加者が少なかったり書き込みがなかったりしては意味がありません。インフォテリアでは、ブログに造詣の深い(笑)社員をモデレータに任命し、ブログ内の決め事から盛り上げの方法まで全てを任せました。モデレータの力量がこのモデルでの成否を決めると言っても過言ではないと感じています。

ポータルを作る

 社内ブログができても、それぞれが独立していては相乗効果が出にくいものです。ブログに慣れない人にトラックバックやRSSフィードを使ってもらうのもハードルとなります。そのためにベタな方法ですが、ブログをメインにした社内ポータルを作りました。

 インフォテリアでの取り組みは、メールやグループウェアを置き換えようといったものではなく、新しい社内コミュニケーションツールという位置づけです。また、これらの運用は、50人程度の会社だから出来るということもあるでしょう。1,000人、10,000人規模の組織では適用不能かもしれませんが、それはベンチャー企業のメリットということで(笑)。

 ところで、社内ブログに関する小川さんの意見にはだいたいAgreeなのですが、「社内ブログは、書く人と読む人がまったく別であっても問題はない」という点は、意見が違います。社内ブログにおいては、出来るだけ多くの人が書くことが大切で、それによって上意下達や組織でのコミュニケーションとは違う新しいコミュニケーションが生まれると考えているからです。そのために、情報発信能力がある人だけ書けばよいとあきらめることなく、一人でも多くの社員が書き手として参加するように上に書いたような運用をしています。

 さて、インフォテリアの社内ブログの状況やノウハウを書きましたが、既に社内ブログを活用されている各社での「社内ブログの位置づけ」、「工夫」、「効果」などについてコメントをいただければ嬉しいです。

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