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開けてしまったらあふれ出すテクノロジー。そこには希望が残っていた!

ボイラーとクラウド

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先日、テレビ番組で「天下り法人が実施する3日間のボイラー技士研修」というのをやっていました。通常は半年間の実務経験がないと取れない免許が、その3日間の講習を受けるだけで免許が取れる、ということです。法人の需要をつくるためにそのような特例をつくり、研修を受けさせているということなのです。

なんか、よさげな話に聞こえるのですが、そもそも「ボイラー技士」という需要がすくないのだそうですね。

ボイラーはどんどん自動化されていて、ある程度未満の大きさのボイラーはスイッチ一本で稼働し、メーカーのメインテナンスを受けていれば素人でも取り扱えるのだそうです。なので、ボイラー技士はほとんどの企業ではいらない、と。だから、コストが少なくなり、どこでも使えるようになったため利便性が向上しました。

もちろん、ボイラー技士がゼロになるわけではありません。大きなビルの巨大なボイラーには専門の技師は必要ですが、需要は減る一方であり、採用される人は研修を受けた新人などは当然無理で、選ばれた者だけが就ける仕事なのだそうです。

この話はクラウド・コンピューティングにも繋がるところがあるな、と感じました。

コンピューターがクラウド化すればするほど、インフラの準備は自動化され、「ポチッ」とクリックするだけで手に入るようになっていきます。そうなれば、サーバーを準備するために専門の技術者がいなくてもサーバーが利用できるようになるのです。利便性が向上し、どこでも手軽にITサーバーを利用することができます。

もちろん、専門の技術者がゼロになるわけではありませんが、人数は減る一方で、その仕事に就けるひとはごく一部の、選ばれた人材となることでしょう。そして、その多くがクラウド・センターなのかもしれません。

クラウドは自動化によってコストを下げるコンピューティングモデル。人材の需要は減少します。これからIT業界はどこへ向かうのでしょうか。それを見極めなければいけません。

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