【お話聞いてみた】寡黙でも、アツい思いは伝播する。奥多摩でわさび田を開墾し続ける酒屋さん。
わたくしの記憶が正しければ、奥多摩の友人、滝島航介さん(通称:タッキー)は酒屋さんだったはず。
それが先日、「実はちょっと相談が、、、」と渋谷までバイク飛ばしてやって来たのです。
そして彼の口から出た言葉は、「わさび、がんばりたいんですよ。」
うむむ、以前からチラリとは聞いていたものの、地道に続けておられたのですねー。
せっかくなので、「そもそもなぜわさび?」というところから詳しくお話を伺いました。
タッキーは、実家の酒屋さん(滝島商店)を継ぐ前は、青山の酒屋さんで修行をしていました。
そこで、酒の知識だけでなく、酒にまつわる日本文化の奥深さを学び、帰って来ました。
しかし、その頃から酒販売の市場は安売り量販店が幅を効かせるようになり、長く続くデフレも手伝って、例えばビールなどでも発泡酒から第三のビールへと、安いだけの方向性は、今もなお変化の兆しはありません。
「安く速く酔っ払うだけでいいのか?」
酒屋として、酒文化全体を伝えていきたいと思っていたタッキーは、そんな風潮の中、自分にしかできないことを模索したのです。
答えは近くにありました。
わたくしは恥ずかしながら知りませんでしたが、奥多摩は昔からわさびの名産地。江戸時代に将軍に献上した記録もあるほどです。
しかし近年、生産者の高齢化などで休耕田が増え、生産量は落ちていました。
そしてタイミングよく、町や都の主導で「奥多摩わさび塾」なる生産者養成プログラムも始まっていた。
「これだ!」
タッキーにもう迷いはありませんでした。
わさび塾で学んだあと、長いこと使っていない荒れ果てた休耕田を借り受けたタッキーは、仲間の力にも助けられながら、わさび田作りに邁進、今年ついに収穫に至りました。
7m×100mほどのわさび田は、来年にはもうひとつ増やして生産量も倍になる予定です。
夢は膨らみます。
自分で作ったわさび、料理店に卸すのと同時に、オリジナルの加工品にもチャレンジしたい!各地のイベントに出店して、奥多摩のわさびをアピールしたい、日本酒に合う最高のおつまみを創りたい!日本の食文化を世界に紹介したい!
あ、世界に!とまではご本人はおっしゃってませんでしたが、なにせこのわたくしよりも口下手で寡黙な男です。
映画の中の高倉健さんよろしく、不器用にポツポツと語るものですから、ついオーバーに後押ししたくなってしまいます。(笑)
せっかく酒屋さんなのですから、観光客が寄れるような立ち飲みの「わさびBAR」や、「わさびCAFE」も作って欲しい!とリクエストしておきましたよ。
さて、1年後、2年後、タッキーのわさび田はどうなっているか?事業展開はどんだけ進むのか?微力ですができるところはお手伝いしながら、見守りたいと思います。
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