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【調べてみた】どうしてボールペンは途中で書けなくなるのか?

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たまには文具屋らしい記事を。m(_ _)m

いつも持ち歩いているお気に入りのボールペンに限って、いきなり書けなくなることってよくありませんか?

いやいや、もちろんそうでない素晴らしいボールペンもたくさんありますよ。だけど、なぜ書けなくなるのかをちゃんと知っておけば、少しは対策になるような気がしますので、ちょっとまとめさせていただきますね。

そもそもボールペンはなぜ書けなくなるのか?

わたくしも文具店に勤めるようになってから知ったのですが、一番多い原因はペン先から空気が入ってしまい、それでインクが出なくなるという現象によるもののようです。

当然他にも原因はあります。ボール部分に傷がついてしまうとか、インクが固まってしまうとか。ただ、最近の日本の文具の技術は大したもので、冬になっても書きにくくなるようなことはありません。ちゃんと使えば、インク自体は数年間いや、ものによってはそれ以上持ちます。

とうことで、やはり空気が混入することでインクが奥に押しやられてしまうというのが、ボールペンが書けなくなる最も大きな原因だと考えてよいでしょう。(正確にはわかりませんが、そういうことにしておいてください。)

で、なぜペン先から空気が入るのか?です。

ボールペンって、繊細な道具ではありますが機構は単純で、重力によって下りてきたインクが、回転するボールによってペンの外に出る。基本はこれだけです。

勘のいい方はもうお気付きかもしれませんが、つまり、基本的にはペン先を下に向けて使う(保管する)用にできているのです。ですから、壁に向かって90度の体制で書いたり、天井に向かって180度の角度でボールペンを使えば、当然のように重力の作用が弱まり、逆にペン先から空気が入ってしまうわけです。

すると、ボールペンは書けなくなる。

非常に簡単なお話なんですね。当然、普段の取り扱いの仕方にも関係してきます。
さて問題です。右と左、どちらのペンが書きにくくなりやすいでしょう?

Capknock

そうですね。ペン先が上を向いているキャップ式(右)のほうです。
微々たることかもしれませんが、普段保管しているときだって、重力はかかります。だったら、当然ノック式(左)のように下向きに保存すべき!なのです。

なぜペンが書けなくなるかについては、ゼブラのこのページで詳しく解説されていますのでよろしければ参考にしてください。

ということで、わたくしなんかは最近、ペンはノック式がほとんどになってきました。キャップ式も使ってはいますが、例えばキャップ式のペンをペン立てに逆さまに刺して置いておくというのは、どうも抵抗がありますし。

しかし、一度空気が入ってしまったら、もうそのペンは諦めないといけないかというと、まだ望みはあります。圧力には圧力ということで、入った空気をまたペン先から押し出せば、状態はもとに戻ります。例えば遠心力などを利用して、強烈にペン先方向に圧力をかければ、復活することもあります。(これがまたなかなかうまくいかないんですけどね。)

あ、空気じゃなくて小さなゴミなどをペン先から巻き込んで中に入れてしまった場合はちょっと難しいですね。書いている紙の質が悪くて毛羽立っていたり、細かなホコリの多い環境などでボールペンを使用していると、そんなふうになることも。((((;゜Д゜)))

さて、基本的にはこんな感じなのですが、日本の技術はやはりすごいです。

実は、ペン先方向にインクに加圧して、グイグイ書けるようにするペンというのが出ているんです。わたくしの知っている範囲では、元祖が三菱のパワータンク、そして最近トンボからエアプレス、パイロットからダウンフォースという3ブランドが出ています。

横向き、上向きでも書けるのはもちろん、常に圧力をかけていますので、書き始めから濃く書けるとか、紙が少し濡れていても書けるなど、特に「現場」で書きまくる方には「神ペン」になるのではないでしょうか。もちろん、インクを最後まできれいに使い切ることができます。

エアプレスとダウンフォースはノック時に加圧するタイプ(パワータンクはリフィル=芯自体が専用の加圧機構⇒その分替え芯が高価)なので、「ガチッ!」という音、手応えとともに自分にスイッチが入るような気になったりするのも魅力です。(わたくしだけ?)
ただ、ノック状態のままですと、ジワジワとインクがペン先から出てきてしまうこともありますのでご注意。(それほど加圧されているということですね。)

ご興味ある方は、今度文具店に行ったら、ぜひ探してみてくださいませ。m(_ _)m

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