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小さな会社のウェブマスターがパーソナルブランディングについてごにょります。

【ハッとした】やるべきこともせずにソーシャルメディア活用とか言ってて御免なさい。

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この本。パッと見ていかがですか?

儲かっちゃうしくみ お客様目線でサービスを見直せば100%受注・成約できる

うーん、怪しい雰囲気を醸しだしてますよねー。
「儲かっちゃうしくみ」って、なかなか口に出しては言いづらいフレーズですよね。

そもそも、日本人は「儲ける=悪いこと」というイメージが見事に浸透した民族だったりします。
ですから、こういうタイトルを見ると、即、拒否反応を示す方も多いのかなと。

しかし、わたくしはこれを書かれた谷田貝さんのことを存じ上げておりますので、内容に関してまったく疑うことはありませんでした。

谷田貝さんは、17歳で板金職人になって以来(そうです。最終学歴は中学校!)、コツコツと商売を大きくされて、最近はその中で培ったノウハウを全国の経営者さんに忙しく講演されている先生です。

わたくしの一番大好きな、現場派・実践派の大先輩だってわかっているから、この本も迷わずに買ったのです。

文章とか、全体の流れに関しては、ちょっと、ところどころ読みにくい部分などあるのですが、そういう細かいことは置いといて、中身はやはり間違いなかったですのでぜひぜひご紹介したいと思います。

どんな中身かばくっと書きますと、「商売の基本」と「お客様目線」です。
え、そんな本たくさんあるよって?
そうですね。でも、谷田貝さんの言葉で書かれると、すごく「ハッとする」ことが多いんですよ。不思議です。

実例がおもしろいからかな?
例えばですね、「お客さんの気持ちをお店が勝手に決めない」というくだり。

飲食店の女将さんが、一部の常連さんしか注文しない、ごぼうメンチカツという手間のかかるメニューをやめたがっているときに谷田貝さんがしたアドバイスは、

・ごぼうメンチカツの携帯メール会員を募る。
・お店の手のすくときにごぼうメンチカツを作ってメールして食べに来てもらう。

一瞬、「え?」って思いました。当の女将さんも、「こんな田舎で携帯メールなんて。しかも注文してくれるのはほとんどが中年の男性よ。」と文句ブーブーです。(笑)

でもとにかくやってみた。

これ、もちろん普通に広く会員募ってもダメですよね。いつも注文してくれる人(多くて十数人だと思います)に、「やめようかと思って」と事情を話しながらお願いしたら、「やめられちゃ困る!」とみんなメール登録してくれたそうです。

その結果、料理作りの効率も上がり、リピート率も上がり、さらには他のお客さんを紹介してくれるパターンも!

これすごくないですか。魔法みたいです。
でも、やっていることは、問題を切り分けて、ひとつひとつ対応しているだけなんですよね。

・効率が悪い→ヒマなときに作ればいい
・やめていいか?→お客さんに直接聞けばいい

最終的には他の「迷ってる」メニューもそうして切り分け、どんどん効率化していったそうです。

「お客さんの気持ちはお客さんに聞く」

あたりまえのことをいかにできていないか?
頭をガーンと殴られた気持ちですよ。

こういった、商売人としてやるべきあたりまえのことが、いかにできていないか。
何箇所もありましたねそういうの。
それをすっ飛ばして、「ソーシャルメディアをもっと活用しましょう」とか、言ってる自分に赤面です。

実際は谷田貝さんも、ソーシャル大好きでいらっしゃるのですが、その前にまずやっておくことあるだろうってことで、チェックポイントめちゃ多い一冊でした。
特にお店をされている方には、目からウロコいや、目から魚一匹まるごと出てきちゃうかもしれませんね。(笑)

わたくしの「いい本」の条件、「読みながらいろいろ仕事の妄想しちゃってなかなか読み進まない本」を完全に満たしております。m(_ _)m


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