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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

環境が整っても在宅勤務を許してはいけないワケ

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昨日の夜から熱が出まして。

今日入っていた2件のアポはキャンセルしまして(関係者各位、申し訳ありません!)、今日返しておかなければならないメールなどは返信し、私のプロジェクトに入ってるプログラマにはBackLogで指示を出し、社内SNSに茶化しコメントを書き、だらだらして療養していたのですが、暇なのでブログを書くことにします。

さて、私たちのような開発会社でよく問題になるのは、「社員に在宅での勤務を許すべきか?」ということです。

社長や取締役など、労働基準法の適用外で、勤務場所も勤務時間も拘束されない契約になっている人はどうでもいいのですが、通常の雇用契約を結んでいる社員となると悩みどころです。

もちろん、私自身が会社を始めた時には在宅でやっていたわけですし、今もこんな風に家からBackLog使って指示を出したり、VPN使ってリモートデスクトップで社内にいるのとまったく同じ環境を再現できるわけですから、物理的には在宅勤務は何の問題もないです。

しかし、私は原則として在宅勤務を許してはいません。

1週間とか非常に忙しい日が続いているときは週に1度とか認めていますが(明確なルールを作ってあります)、それ以外は基本的に仕事は会社でやるように言ってます。

その理由には3点あるのですが、長くなるのでそのうちの一つ、モラルハザードの話だけしようと思います。

在宅で仕事をするとき、「きちんと会社にいるときと同じようなパフォーマンスで仕事をしているか」、「会社では手を抜いて自宅でやりゃーいいやと思っていないか」、「深夜や休日にやれば手当もついて平日普通にやるよりウマーと思っていないか」、、、などといった情報は勤務者本人のところに偏ります。

これは「在宅を許可すると、誰もがそういうモラルを欠いた行動をとる」と言っているのではなく、会社と勤務者に情報の偏りが出るということです。

分かりやすくいうと、こういうことです。

あなたに学生時代からの親友がいたとします。その親友は社会人になり保険会社に入りました。ある日、彼がこう言います。

「うちの保険はとてもいいよ。ぜひ入りなよ。」

あなたは昔のよしみもあるし、保険は必要だと思っていたので加入することにしました。

しかしここであなたとその親友の間には、その保険の契約内容について情報の偏りがあります。

親友はすでに保険のプロであり約款などもよく読んで熟知しています。あなたはざっとは読んだものの、専門用語が多くてよくわかりません。

この状態が不安定な状態です。親友が別に悪いことを企んでいるかどうかはわかりませんが、あなたとしてはどこか不安な気持ちになります。

そこへきて、親友がこんなことを言ってきたとします。

「こないだお前が入った保険ね。あれは本当にコストパフォーマンスがいいんだけど、○○みたいな時にカバーされないんだよね。もし必要なら特約の見積りを取り寄せてみる?」

そういう情報を聞くと、あなたはどう思うでしょうか?

「そんな話は聞いていない。やっぱり徐々に金を吊り上げようってつもりだな!?」

あるいは

「自分にはそこが大事なのに、全然本気で考えてくれてないよ!」

とかいろいろ思うのではないでしょうか。直接本人には言わないまでも。

「こんな嫌な気分になるなら、保険になんて入らなければよかった・・・」

と後悔するかも知れませんね。

一方で親友が善意だった場合、彼はなんとも思っていません。善意な人ほど、このシチュエーションの不安定で危険な状態に無頓着です。


在宅勤務を許すというのはこういう不安定な状態になるということです。

会社が社員のことが信じられないから許していないのではなく、社員との信頼関係が大事だと思っているからこそ許していないのです。

自宅に友人がたくさん集まるとき、テーブルの上に現金を放置したりしないようにするのと同じ思考です。友人がお金を取るとは思っていませんが、何かの時にお互い嫌な気持ちになる可能性があるので、あらかじめその芽を摘んでおこうというものです。


あと2つありますが、病み上がりでもありますし、そんな元気なら仕事しろと言われかねませんのでこの辺で。そんじゃーね。


 

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