キャズムを越えたTwitterを考えてみる!情報配信の現在(iPhone、Xperia、Ustream、Twitter)・過去(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)・未来(?)【第1話】
2010年4月の日本でのTwitter訪問者数が990万人となり、インターネット利用人口に対するリーチは16.3%まで上昇した。【出所: ネットレイティングス中村氏 記事】
通常キャズムが16%のラインであり、ついにTwitterはキャズムを越えたようである。
そこで、今一度Twitterに関して私なりに考えてみた。
まずは、戦後の情報発信の歴史から見ていこう。
新聞、雑誌、ラジオ、テレビが普及してマスへ向けた情報発信が確立される。その背景には高度経済成長がある。まだ需要が高く技術的発展性が大きいため供給側はマスで考えた商品、そして宣伝を戦略していけば良かった。
しかし、バブル崩壊後は経済的に冷え込みマスでとらえた事業展開では立ち向かえなくなってきた。それは、需要が低くなってきたからだ。そこに、情報配信としてインターネットが現れてきた。
企業はホームページを開設し、企業イメージを構築して事業内容を配信してきた。
だが、このホームページは企業からの一方的な情報配信である為、従来のマスメディアと同じ一方通行の配信でしかない。ただ、低価格で情報配信ができいつでも見てもらえるといった利便性が高いことで普及し、ホームページによって企業の信頼度がアップしてきた。
また、ブログが台頭してきたのもこの時期である。
今度は個人で簡単にしかも無料でサイトを持ち情報発信することができるようになった。この時点から人々が受け取れる情報量が一気に増えてきたのである。
このブログにより個人ブランドを確立させることが容易になったのだ。
従来であればマスメディアに露出しなければ個人が大勢に影響を与えることは基本的にはなかった。
そしてアフェリエイトといった仕組みが登場し、イーコマースサイトと繋がればインターネット上でビジネス的には完結することができる時代となった。
さらに、リーマンショック後も厳しい経済になってきたが、情報発信の様子が大きく変わってきた。それがTwitterだ。ブログがでてきて個人ブランディングしやすくなった。しかしTwitterがでてきて、真の個人が見えやすくなった。「つぶやき」はその人なりが見えてしまう。
そこで重要になってくることは、「信頼」、「ネットワーク」そして「貢献」である。
Twitterでは、各人の「対応」が逐一、大衆の目にさらされてしまう。
そう、『テレビ番組で自分が発言している』ことに近い感覚がある。
特にフォロワーが多い人は気を付けなければならないと思うが、フォロワーが少ない人も発言がリツイートされて広まる可能性もある。
このネットワークの中で貢献して信頼を得、そして生きたネットワークを広げられると自分ブランドが確立されていくと思う。
また、企業を考えると、Twitterの台頭により、株式会社○○の中の人といった表現が始まった。
これは、個人が企業のイメージ、信頼関係に影響し始めたのだ。まさしく、社員の人間性が問われる時代になってきた。
そして、企業もブランド戦略でTwitterを使い始め、双方向のやりとりを始めだした。そこで大事なのが上記個人の場合と同じ「信頼」「貢献」だ。
当然、企業の場合はクロスメディアとして従来のマスメディアと上手く連動させて最大限の効果を期待する場合が多い。ただ、Twitterの「信頼」「貢献」だけでは効果の数字は見えにくい。
しかし、そこが一番重要でこの「信頼」「貢献」がないと消費者は遠のいてしまうものである。まだまだ企業は試行錯誤しているところであると感じる。
次回【第2話】に続く。