アジャイル ブッフェへのいざない♪ 【Tech・Ed North America 2011 のアジャイル セッションから】
先日より、Tech・Ed North America 2011 に参加したレポート、個人見解について投稿していますが、今回は、ブレイクアウト セッションとして実施された「The Agile Buffet」を取り上げたいと思います。
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っとその前に、お知らせです。今回の Tech・Ed は、有償のカンファレンスにも関わらずほぼすべて(たぶん)のセッションのストリーミング配信および、資料ダウンロードで提供しています。
このあたりからも、技術、トレンドの情報発信により積極的な姿勢を示している Microsoft を感じていただくことができるかと思います。
もう一つ、これは毎回ですが、Microsoft のカンファレンスだからといって、別に Microsoft の製品や技術のセッションばかりあるわけではなく、今回取り上げるようなアジャイルや、開発プロセス、プラクティスのセッションも多数あります。
セッション形式も、講習形式、トーク、ディスカッション形式、ワークショップ形式、ハンズ オン ラボ(HOL)など多彩です。
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さて本題ですが、「The Agile Buffet」では、アジャイルで代表されるメソドロジーの特徴を紹介したうえで、開発する対象、開発チームの事情に応じて、それらをどのように活用するといいのかといった “アジャイルの原則やプラクティスをブッフェ テーブルの上からチョイスしていただく” という提案がなされました。
守破離でいうところの「守」を超えたあたりの立ち位置でしょうか。
そして、実際に空の Excel ファイルを開き・・・・その場で、参加者といっしょに「この開発事情なら、どのプラクティスを使うといい?」といった感じで展開をしていきました。
では、そのセッションの内容をさらっとレポートします!
※ 画面ショットはセッション ストリーミングからの引用です。
まずは、基本はここにあり!ということで アジャイル マニフェスト 、12の原則の紹介からセッションは始まりました。
そして、影響力のあるアジャイル メソドロジー(※フレームワーク)として3つの特徴を紹介していきました。
- XP (eXtreme Programming)
- Scrum
- Kanban
XP については、
Scrum については、
Kanban については、
で、ここまでは、あくまでウォーミングアップです。コンテキストを合わせるためにおさらいをする感じで、ここで、これらについて学習するというスタンスではなく、すでに知っているであろう参加者と同じテーブルの上でコミュニケーションする準備をしたといった感じです。
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ここからがこのセッションの本番です!
アジャイル がすでにソフトウェア開発の “本流” となっていることを示したうえで、実際には、各メソドロジーの良い点を利用するテーラリングした “Mixed Agile” でソフトウェア開発を行っていることを示しました。
私がこのスライドで真っ先に注目した点は、アジャイルの Mixed だけではなく、しっかりと Agile と Non-Agile の Mixed が 31 % あるというところです。要するにその現場の状況によってよいものを使えばよく、それがアジャイルなプラクティスだけで成り立つ必要もない、大切なのは、目的を達成するために何をすべきかをチームで模索、合意し、成功に導いていくことであると受け取りました。
そしてここで、空の Excel ファイルを開き、シナリオごとにどれをチョイスすべきかを参加者とコミュニケーションをとりながら埋めていったわけです。
その模様は、
といった感じで、特に、スライドの各メソドロジーの特徴を見ながら、この状況(新規の分散開発)だったら、「スクラムのふりかえりが有効だよね。」、「カンバンのヴィジュアル ボードもね。」、「朝会(デイリー スクラム)も必要だよね。分散開発だから Skype でね♪」といった感じで、Excel のセルが埋められていきます。
シナリオの特徴を示したうえで、どのプラクティスをチョイスすべきかを議論。
セッションでは、新規分散開発などについて展開をしていきましたが、ダウンロード可能なセッション資料では、
- 新規分散開発
- 保守開発
- アウトソーシング
についてまとめたものが掲載されていました(詳しくは、ぜひ Tech・Ed Online でセッション資料を入手してみてください)。
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いかがですか?私は、単純に、「これを日本でやってみたい!」と思いました。別にフォーマルなセッションとしてというわけではなく、コミュニティの「場」でも、居酒屋トークでも。
うれしいことに、アジャイル コーチの方々、アジャイルでもそうでなくても、様々な経験を積んだ方々が集う「場」は、今は、たくさんあります。社内だってね。
私は、これを「アジャイル」に閉じる必要もなく、ウォーターフォールのプラクティス、RUP のプラクティス、自社内のプラクティスも含め、議論し、良いものを作る形で活かせるといいと思っています。
ということで、セッションの簡単なレポートと、「アジャイル ブッフェへのいざない」でした (^-^)
長沢 (@tomohn)