プロセスの変更管理
プロセスを定義し、徹底することは非常に効果的であると思います。ただ、プロセスも 生き物 である必要があると感じます。要するに、必要に応じて改訂するということが大切となるということです。ただし、無計画に改訂してしまうことは、参照者(プロセスの適用者や適用を検討している人など)にとってはそのプロセスの信頼性を失うことにつながってしまう恐れがあります。また、多くの方がもっているベストプラクティスや、ノウハウをプロセスに反映するパスを用意することもプロセスの定着や改善にとって大切な成功要因になると考えられます。
それらの、改訂予定やプロセスへの新たなプラクティスの取り込み、そしてプロセスの現状の不備などを参照者に適度にオープンにすることが、必要ではないかと思っています。その仕組みとして開発でも重要とされる変更管理が適用できると考えています。ここでの変更管理とは、成果物をベースラインにより識別する構成管理と、あらゆる変更を受付から意思決定し、完了するまでのフォローを定義・実行する変更依頼管理を適用したものです。
流れとしては、変更依頼として、プロセスの改訂依頼や、ベストプラクティスへの反映依頼、プロセスの不具合を自由に登録させ、それらを定期的にプロセスを管理するメンバー(プロセスのCCB(変更管理委員会))によって意思決定し、盛り込むか、盛り込まないかを明確にし、プロセスである成果物へ反映を行うということになります。
これにより、参照者は、プロセスの充実に参加することができると共に、プロセスの今後の方向性や課題にアクセスすることができるようになります。結果、プロセスへの意識が高まる・・・ということが望めるのではないでしょうか。
ツールとしても開発時に使用する変更依頼管理ツールや構成管理ツールが適用可能であると考えます。
プロセス改善を行う際に、気をつけるポイントとして、プロセスの運用の準備やその意識をもつことが挙げられています。そのひとつの解というか、方法としてプロセスの変更管理が有用ではないかと思っています。