橋本さんの変身ぶりに驚いた 政治もビジネスも使い分けだと思う
私が以前実家にいた頃の日曜は、朝9時NHK「日曜討論」、そして「サンデープロジェクト」から始まるのがお決まりでした。
子供の頃から、難しい政治の話が朝から流れていて、何を言っているのか意味は分からなかったのですが、その時代を象徴する様々な政治家が印象に残っています。
ふと思い出すのは元総理大臣の橋本龍太郎さんです。
橋本さんは、討論会でお話ししている様子は、冷静沈着で頭脳明晰。鋭い切り口でご意見をおっしゃる様は、一見「怖そうな人だナ~」と思っていました。
しかしあるとき、中学校を訪れた映像が紹介されていました。
橋本さんは、穏やかで包み込むようなまなざしで、生徒たちに優しく話しかけられていて、驚いたことがあります。
この様子だけ見ていたら、あの討論会で見せた厳しい橋本さんは想像も出来ません。まったくの別人格。すごくいい人に見えました。
今でも覚えているのですが、声自体が少し高めで柔らかく変わっていたのです。
これは、声の高さを変えるだけではなく、声帯閉鎖を緩くしなくてはなりません。
もちろん、人は心から優しい気持ちになれば、声帯は緩く閉じる方向に行くのですが、これを「知っているのと知らないのとでは大きな違い」です。
私は、人に特にわかってもらいたいときは「表現2割増し」と言っています。
動作や言葉を大袈裟にするのはわざとらしいので、すぐ「作っているのかな」と思われてしまいます。
なので、声だけを変えるのをお勧めしています。
声だけならば、ほとんど気付かれずに2割り増しになります。
強さを表現したいときは、声帯をしっかりと閉じる。
穏やかさを表現したいときには声帯を緩く閉じる。
これからは政治家もビジネスパーソンも「声帯使い分け」の時代です。
場面によって、少しずつ調整していくことが出来れば、声は上手に自分の意志を伝える手段になります。
ただ、声帯を動かすのは結局は筋肉です。
年齢を重ねると声帯の動きも衰えます。そのために、心は十分動いていてもコントロールがきがずに声の表現が平坦になっていってしまうのですね。
通常、強い声を出すことばかりに注目が行きますが、柔らかい声を出すために声帯を緩く閉じるほうが難しいです。特に、高い声で弱く長く伸ばし続けるのは超高度なテクニックになります。
それでは、片手間にできる声帯を緩く閉じるトレーニングをご紹介します。
★★声帯を緩く閉じる簡単なボイストレーニング★★
1、一度「は~っ」と大きくため息をつく。または、冷たい手を温めるように「は~っ」と息を吹きかける。
2、息を大きく吸って、1番と同じ息で「h~」
3、「h~」と息をはきながら途中から徐々に「あ~」と発声する。決してきつくしすぎない。「あ」の母音は息混じりの声。
好きな高さでなれてきたら、いろいろな高さで行うとよい。
このトレーニングを行うと、いざというとき何も考えなくとも心に筋肉が反応して柔らかい声を出しやすくなります。
鳩山由紀夫さんが、ある中学校訪問で、中学生のインタビューに答えている場面もみたことがあります。お人柄だと思うのですが、ほとんどいつも通りだったのもまた印象深かったですね。
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