なぜ人前で話すと早口になってしまうのか 早口にならないしゃべり方
いつもはそこまで早口ではない人でも、なぜか人前でしゃべると、「立て板に水」で、早口になってしまう方がいますね。
人前で緊張して、言葉がゆっくりになるという方はあまり見たことがありません。
どちらかというと、練習していたとしても、たいていは少し早くなる。
また、早口になってしまうタイプの方が、無理に「ゆっくりしゃべらなくては」、と意識しすぎると、これまた一本調子だったり、不自然に間が開きすぎていたりしているケースが多いですね。
もちろん、早口で何を言っているのか伝わらないよりは、少しくらいゆっくりのほうが良いと思いますので、まずはなれなくとも、ゆっくり話すことを心がけてください。
またテンションが上がってしまうと早口になるタイプは、せっかちで攻撃的、または頼りなく見えてしまうことがあるので、気をつけてください。
ゆっくり話しているほうが信頼度が上がります。
早くなるのは、ドキドキして呼吸が早くなってしまうのが大きな原因の一つです。
呼吸が浅くなると、声も浅くなるし、甲高く細くなります。
呼吸が浅いということは、きちんと腹式呼吸ができていないということですね。
そうなると横隔膜が上がってきてしまいます。
人前で早口になってしまわれる方は特にしっかりと横隔膜の腹式呼吸をすると良いと思います。
どんな人でも、本番で緊張すると、横隔膜が上がってきて呼吸が浅くなりがちです。練習では続いている息が、途中までしか続かなくなるなんていうことはしょっちゅうです。そういうとき、「あれ?どうしたんだろう。やばい、やばい」と慌てないこと。慌てると、お腹のことを忘れて、余計に早口になってしまいます。
とにかくお腹が使えているかどうかにだけ集中しなくてはなりません。
お腹を使うためには、エンジンを動かすためのガソリンである空気をたくさん入れなくてはなりません。
話し始める前にたくさんのガソリンを入れること。つまり息を吸うことです。
胸のあたりで空まわりしているのを、横隔膜に落としてあげる意識でしょうか?
横隔膜に重心をおとしてしゃべる。横隔膜が鍛えられてくれば、良い車に乗っているようにしゃべりが力強く進んでいきます。自分の声が落ち着いてくれば、気持ちも同時に落ち着きます。
現代人にとって、横隔膜をしっかり使うということは、普通の生活をしている限り必要ありません。
なので、研修やレッスンで、「さあ、横隔膜を使いましょう」と言っても、なかなか横隔膜が反応しない人がほとんどです。
普段より横隔膜のインナーマッスルを目覚めさせ、鍛えるトレーニングをしていると、だんだんと感じられるように」なってきますよ。
本日は初心者に良いトレーニング方法をお伝えします。
★★基本のブレス・トレーニング★★
1、姿勢を決める。あばら骨を持ち上げ、口を開けて、舌をのばして。
2、「ハッ」と驚いたように息を吸う。吸ったと同時にへそ下あたりのお腹が出るように。
3、「スーッ、スーッ、スーッ」と「s」の子音を言うつもりで、三回に分けて息を吐きます。三回とも同じ量で吐き切れるように調整して。同時にお腹も三段階に分けてへこんでいきます。
4、また口を開けて「ハッ!」と息を吸い込む。吸うというよりお腹を出して(戻して)息を引き込むように。
1~4を繰り返すことで、横隔膜などが鍛えられます。
本格的にパワーのある声にしたいのでしたら、下記のブレストレーニングに進まれてくださいね。
でもまずは、基本をマスターすることです。
参照記事:腹式呼吸をしていても「喉止め」している限りは上手くならない これが出来るだけでパワーのある声になる良い複式呼吸法