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初心者こそぜひビブラートをかけられるようになってほしい

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合唱ではビブラートを使わないとおっしゃる指導者の先生も多いかと思います。
そのためか、合唱では「ビブラートが最初からかけられない」という方が多いですね。
 
ビブラートというのは、音の高さを揺らす発声方法ですが、実際は音程がそんなにずれて聴こえるというわけではありません。良いビブラートは音の響きが豊かになり音色に艶がでてきます。
 
先日も日本で数少ないプロ合唱団「東京混声合唱団」の秋島先生にいらしていただいたときに「ビブラートがかからない歌い方というのは良くないです」とおっしゃっておられました。
 
ビブラートをかけることが目的ではなく、「いつでもビブラートがかけられるような発声方法をしているということが大事なこと」ではないかと思います。
 
歌は、ビブラートがかかっていても、かかっていなくても、お腹の横隔膜がきちんと使えていなくてはなりません。
 
発声にとって「お腹がつかえているかどうか」というのは、常に意識しなければならないことです。長年歌を勉強している人でも、油断するとお腹が使えていないで喉だけで歌っている場合もあります。横隔膜を使って声を出すには、お腹のインナーマッスルと、たくさんの息が必要です。これを確認するためにはビブラートをかけるのが一番分かりやすいのです。きちんとビブラートがかかっていれば「よし、ちゃんと使えているな」ということを自分でチェックできるのです。
 
だから私は、発声をやり始めた人ほど、ビブラートを多用する練習をお勧めしています。 
オペラなどでは、ビブラートは大変大きくかけますが、合唱では「ほどほど」が大事です。あくまで響き優先で、音の変化があまりないようにしたいところですね。なぜかと言うと、合唱はハーモニーが大事なので、音があまり変化してしまうと、きちんとしたハーモニーが構成できなくなるからです。
 
あと、よく「声が子供っぽい」と言われる合唱団は、お腹のビブラートが出来ない方が多いですね。奥行きのある豊かな表現のためには、音が常に「アー」とまっすぐすぎないほうがいいのです。
 
また、ビブラートをかけないで高音のロングトーンなどを歌うと大変危険です。息がじゅうぶんに流れずに歌っているので、途中で音がプツッと切れてしまったら「それまで」になります。
 
ぜひ、お腹のビブラートを勉強されて、良い歌を歌っていただきたいですね。
 
ビブラートがかけられない方は下記の記事を参照ください。

良いビブラートの簡単なかけ方とこれができるだけで歌が上手に聴こえるだれでもビブラートがかけられるトレーニング方法

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