良い声を出すために腹筋運動は必要なのでしょうか? いいえ、しなくても大丈夫です
「良い声を出すために腹筋運動をしたほうがよいでしょうか?」と、よく聞かれます。
腹筋が強いと良い声が出るでしょうか?
通常スポーツで行うような腹筋の筋トレは、基本的に歌とは関係ありません。だから、腹筋がバリバリに割れていても良い声とは限らないのです。
歌は腹式呼吸と言われます。
腹式呼吸をすることにより、横隔膜を使って声を出すのです。
横隔膜は、一番下のあばら骨の後ろあたりにある膜です。
横隔膜が収縮すると、胸腔が広がり、内部の圧力が低下します。圧力を等しくするために、空気が肺の中へ流れこみます。横隔膜がゆるむと、肺と胸壁の弾力性で空気が肺から押し出されます。
横隔膜により、息が十分に流れ、声帯を通して良い声が出るのですね。
横隔膜はインナーマッスルによって動きます。
このインナーマッスルは呼吸によってしか鍛えられません。これからインナーマッスルのトレーニングについてお伝えしますね。
夏暑いとき、犬が舌をだしてハッハッハッ・・・と呼吸しています。
まねをして、ポカンと口を開けながら舌の力を抜いて「ハッハッハッ・・」と呼吸してみてください。
これを「ドギーブレス」と言います。
そのときお腹のどこが動きますか?
その場所が横隔膜です。
ポイントは、吐く息と吸う息の量が同じになるように行うこと。できるだけ長い時間繰り返し、持続してください。
吐くだけだったり、吸うだけだったりすると息がすぐ足りなくなり、持続できませんからね。
この方法を皆さんにやってもらうと、意外に出来ない方が多いですね。デスクワークが多く、普段は横隔膜を使わずに胸式呼吸になってらっしゃるのかもしれません。
横隔膜の動く場所を意識できるようになったら、肩をあげずにいっぱい息を吸って、横隔膜のある場所で止めます。20秒ほど止め、「ハーッ」と一気に息を吐く。これを何度か行ってみてください。
このとき、喉のところで「kッ・・・」というような雑音がしてしまったら、それは喉で止めているので失敗。この呼吸法だと発声のとき喉に負担がかかってしまいますよ。喉で音がしなくなって、お腹で止められるようになるまで練習してみてください。
ほとんどの方が、喉だけで歌っていたり、胸式呼吸だったり、一生懸命お腹を硬くしていたりして、本来の実力が出せなくなっています。横隔膜を使えているときって、腹筋は押すと柔らかいですよ。決してがっちり固めてはだめです。支えるのはへその下一点だけですからね。
呼吸でインナーマッスルを鍛える方法は以上の2つです。
あとは、作品を歌い込みながら作っていくのが良いと思いますよ。
ぜひインナーマッスルを目覚めさせて、良い声になってくださいね。
■Facebookページ「次世代トッププレゼンで「いいね」すると、さらに詳しい情報をご覧になれます。
★参照記事★
いろいろなボイトレをやっているのに上手くならない場合、一度横隔膜で息をとめられるか試してみて 「横隔膜の呼吸トレーニング」
*「DVD付 リーダーは低い声で話せ」は、動画を見ながら一緒に横隔膜を鍛え、レッスンできるボイストレーニングの本です。