「お前その話グッとこないんだよ」 心で感じて動くエネルギーが大きなうねりを呼ぶ
ゴッホがカフェに入ったあとのテーブルを見ると絵がたくさん描かれていたそうです。「テーブルに描いたりしたらお店の人に迷惑がかかる」なんて考えてない。
絵のモティーフが思い浮かんだら、もう体が動いてしまう。今すぐに描かないとインスピレーションが逃げてしまう。
ゴッホは、普通の人がリラックスしてボーっとしているときでさえ、絵のことばかり考えていたというわけです。「少しは売れる絵を描こう」などとこれっぽっちも考えてない。
ベートーヴェンは新しいメロディが思い浮かぶと、なりふり構わず「ワーワー」と歌っていました。「今は人前だから恥ずかしいし、家に帰ってから楽譜に起こそう」などと思っても遅い。そう、たった今生まれたその旋律の尻尾を捕まえないと、それは瞬時に逃げてしまう。だからすぐに体が動かずにはいられない。
甥のカールは、「(ベートーヴェン)叔父さんは、いつもワケの分からないメロディを怒鳴っていた」と言っています。
そんなことを考えていましたら、雑誌の「BIG tomorrow」4月号に、以前のブログでご紹介した、「OH!ガッツ」の立花貴さんの記事が掲載されており、思わず読んでしまいました。
立花さんは震災後、養殖事業の商品開発まで手がける「OH!ガッツ」など、復興事業を次々と立ち上げてきた方です。
漁師の伊藤浩光さんの「家も船も漁具も加工場もすべて流された。でも俺は漁業をやる。雄勝のために、日本の漁業のために新しい漁をやる!」という言葉にグッときた立花さんは、「漁師のやる新しい会社をやろう」と即答していました。そのために、住民票を東京から雄勝に移し漁師になり、古民家で共同生活を始めたのです。
もともと伊藤忠の商社マンだった立花さん。
・・・・・(以下引用)・・・・・
起業したばかりのころ、伊藤忠時代の上司、澤田貴司さん(現リヴァンプ代表)に挨拶に行くと「お前のその話グッとこないんだよ。食の流通を変えたいなら、俺なら渋谷駅前でリヤカーで米を売るよ。『あいつアホじゃねえの』と指さされながら」と言われた。正直、当時は意味が分からなかったけど、いまはすごく腑に落ちる。分かる気がします。感じてなりふり構わず動く人のエネルギー。それは大きなうねりを呼ぶんです。
(中略)
プロジェクトを小分けにして、スケジューリング、PDCA回して・・・といわゆるガチガチに考えて動く男でしたからね。昔の僕が今の僕を見たら「立花・・・アホじゃないか?」と呆れるでしょうね(笑)。
・・・・・(以上引用)・・・・・
なりふり構わずに体が動く。
アタマより感じて動き出す。
なんというアホさ。
そして、この「今すぐ動かなきゃ」という情熱。
今の自分にそれがあるか。
常に心に問うていきたいと思っています。
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