ポルタメントのやり方
林光さん編曲の「日本抒情歌集」に「曼珠沙華」という曲があります。
2011年6月11日、合唱団コール・リバティストにマエストロをお招きしての練習を行いました。
今日はこの「曼珠沙華」を歌いました。
「曼珠沙華」は、ソプラノが全曲通して旋律のほとんどを受け持っていますので、ソプラノの出来次第で決まってしまいます。
難しい点は、高音域で弱音を要求されること。
ポルタメントがあること。
テンポがゆっくりなこと。
そして、内容の深さを旋律で表現しなければならない点です。
ポルタメントとは、ある音から別の音に移る際に、滑らかに徐々に音程を変えながら移る演奏技法のこと。
これを、曲の情緒に合わせて、ゆっくりと行います。
ぴゅーっと速くしては情緒を損なうので、出だしの一音目で一端止めて、それからピアノの鍵盤をゆっくりすべらすようなイメージで降りてきます。鍵盤の軽い電子ピアノやアイフォンアプリで確認するほうが分かりやすいかもしれません。
練習方法として、最初は半音ずつでよいので、レガート(音をなめらかにつなげる)で一音一音確認して覚えてから、少しずつ早くするとよいでしょう。
音がわかってきたら、なめらかに滑らすように雰囲気をつけていきます。力を抜いてあくびのイメージで行うとよいと思います。
そのため、ソプラノがポルタメントを行うときだけ、テンポが少し遅くなり、他全部とパートが待って歌うことになります。
待ちすぎると、どんどん全体のテンポが落ちていきやすいので、あまり情念を込めすぎないようすることが大事です。
練習後半では、中田喜直の「都会」より「若者たちよ」を歌いました。
こちらは、男声・・・特にバスパートが難易度が高いと思います。
音程の幅が広く、かなりの低い音を要求されます。
中田喜直の混声合唱曲は、とにかくバスの音が低くソプラノが高いので、音楽的な広がりとスケールの大きさがあるのですが、バスには難しい曲が多いですね。
低い音は、力を入れて無理に出さないこと。
緩めることが肝心です。
普段のボイストレーニングの成果がてきめんに表れるところです。
45年前の曲とは思えない、斬新さとパワーにあふれた作品。
ぜひ素晴らしい表現をしていきたいですね。