無意識に間違って使っている「日本語」の落とし穴 「断トツの一位」「すべて一任する」・・・
「断トツの一位です!」
よく使われる言葉ですね。これは「重複表現」と言って、訓練を受けたアナウンサーでも使ってしまう人がいるのです。
現代では、言葉の意味を強調することが好まれるため、言葉を印象づけることの方が重要視され、重複表現が定着してしまったのだそうです。
作家の本郷陽二さん(光文社カッパ・ブックス編集部を経て、編集プロダクション、幸運社を設立。歴史ミステリー作家のほか日本語やビジネスなどのノウハウ本や雑学本を手がける)が「Qualite」(東急カード発行)にて、重複表現について書かれていましたのでご紹介いたします。
・・・・・(以下引用)・・・・・
×「断トツの一位」
”断トツ”は”断然トップ”の略語で一位を指す。
×まず初めに
×一番最初/一番最後
×今現在
×「すべて一任する」
”一任”とはすべて任せること。”一任”で十分意味は伝わる。一つの単語で意味は伝わるのに、別の言葉を加えて重複させてしまう例も多い。
×注目を集める
×収入が入る
×被害をこうむる
×後で後悔する
×過半数を超える
×「お中元のギフト」
”お中元”は、世話になって人への夏の贈り物。ギフトは贈り物と同義語だから、重複表現になる。
×新年明けましておめでとう
×元旦の朝
×クリスマスイブの夜
×「製造メーカー」
メーカーと、物を製造する会社=製造業者は同義語。同じ意味の日本語と外来語を重ねた言葉は、意味を分かりやすくするために生まれた重複表現。
×排気ガス
×IT技術
×チゲ鍋
×「故障中」
”故障”は”正常な機能を失った状態”を指すので、途中を意味する”中”をつけるのは間違い。他に”肴”はそれ自体が”酒のつまみ”を意味する。
×余分な贅肉
×酒の肴
×みぞれ混じり
×存亡の危機
・・・・・(以上引用)・・・・・
改まった場や、後に残るメールや手紙では、気をつけたほうがいいですね。私は、この「重複表現」、かなり使っていたように思います。
最近、本のコラムを書いたので、改めて日本語について見直さざるを得ない状況にありました。学生時代、もっと身を入れて勉強しておけばよかったと今更ながら後悔しています。
しかし、日本語というのは奥深く、興味が尽きませんね。