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リストの魂はロックスターに受け継がれているのだ

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オルタナティブ・ブログ6周年記念「ばんちょ~と遊ぼう」テーマは「六」。
今回は「ロック」と「クラッシック」について書いてみたいと思います。
 
 
私は、学生時代にフランツ・リスト(1811年~1887年)という作曲家と出会い、その「ピアニスト本能を刺激する」とでもいうような音楽の虜になってしまいました。
 
リストは自分が演奏するために、自分の手にあった作品を作りました。
オクターブ(例えば音で言うならドからドの幅)という広い幅の音を好んで使用するため、手の小さいピアニストはなかなか弾くことはありません。そのオクターブ連続の「速弾き」の凄まじさはリストの大きな特徴でもあります。
 
楽器の「鳴り」を最大限にまで引き出す作曲技法。眠っていた楽器が目覚め、「お上品なクラッシック音楽」というイメージを根底から覆す威力にあふれている。
一方で、弱音のなんというクリスタルガラスのようなきらめき・・・。めまいがしそうでした。
 
そしてなぜか同時によく聴いたのがロックでした。
 
ロックのファンにすすめられて買ったCDが、リッチー・ブラックモアというギタリストの演奏です。
 
録音は古かったのですが、初めて聴いたときは興奮しました。なんという野生味あふれる爆発的なソロなんでしょうか。
 
リッチーのギターを音楽評論家の林田直樹さんはこう評します(2011/1/27日経)。
「一触即発の暴走感、そしてぎりぎりのところで調和するスリリングなアンサンブル。悠然と構え、機が熟するや繰り出す、あの荒々しい無敵のギター・ソロ。そこにはいささかの誇張も媚びもなかった。」
 
そして、史上最強と言われる「速弾き」、イングヴェイ・マルムスティーン。
 
「楽曲構成の緻密さ、和声の豊かさは、クラッシック音楽に多くを負っている。恐らく彼は19世紀のパガニーニやリストがヴァイオリンやピアノで成し遂げた前人未到の演奏技術を、ロックギターの世界で再現しようとしたのだ。」
 
「哲学者ジャンケレヴィッチが『リスト ヴィルトゥオーゾの冒険』に書いたように、機械化によって堕落させられた人間の自発性の復権に他ならない。超絶技巧とは人間のなしうることの偉大さを照明する存在なのだ」

 
リストがピアニスとして自分の技術や音楽性を誇示するための作曲をし、演奏する。
そして、政治家や富豪の夫人、令嬢、娼婦や踊り子、たくさんの女性との華やかな恋愛。そんなスキャンダラスな生き方もまたロックスターの先駆けだったといえましょう。
 
リストの魂は、その後のクラッシックに引き継がれたというよりは、現代のロックに生き生きと存在し続けているように思えてなりません。
 
 
オルタナ6周年、おめでとうございます。ばんちょ~さん、いつも見守ってくださりありがとうございます。おかげさまで書き続けることができています。これからも精進してまいりたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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