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ミューザ川崎シンフォニーホール壊滅的被害とクラッシックのこれから

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ミューザ川崎シンフォニーホールが震災で被害を受けたことは、5月27日「復旧まで2年 失った今が始まり」という記事でも書きました。
 
そして、被害の様子は3月17日に公開された写真で知りました。
 
写真はこちら→リンク
 
初めて写真を見たときは、一瞬言葉を失いました。
落下した天井板と鉄骨で客席が覆いつくされています。指定管理者の文化財団は「耐震設計になっているのに、ここまでの被害になるとは想定していなかった」ということです。
 
当日は、12日に行われる演奏会のためにオルガン奏者がリハーサルを行っていましたが、舞台側にいて無事でした。
 
ミューザの演奏会にはよく行きましたし、私も何度か舞台に立ったことがあります。自分自身川崎市民でもあり、思い入れのあるホールで、今回のことは大変胸が痛みます。
 
都内やその近郊で、ここまで激しい壊れ方をしたホールはありませんでしたから、再建のときは、皆さんが安心して音楽会に来ていただけるような説明がいるかもしれませんね。心の癒しになる場にもかかわらず、心理的な怖さがつきまとってしまったら残念なことです。
 
ミューザは「音楽のまち・かわさき」のシンボル。
ぜひ、安全第一と信頼回復に全力を注いでいただきたいと思っています。
ホール再建は大変でしょうけれども、いずれ起こるのではないかと言われている東海地震のことを考えると万全を期して頑張っていただきたいですね。
 
クラッシック音楽事業協会では、「震災により5月中旬までに業界全体で少なくとも12億5千万円の事業減、6億5千万円の粗利現役となった」と試算しています。
 
そして、今後のクラッシック業界はどうなっていくのでしょうか。
6月11日の日経新聞「試される公共劇場」と題された記事から一部ご紹介します。

    ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
今後復興が進んでも、公共劇場の活動は以前と同じというわけにはいかないとの見方がある。公文協によれば休館中の劇場からは「再開したところでお客さんは来てくれるのか」「どんな公演が喜ばれるのか分からない」と不安の声が上がっているという。
(中略)
災害を逃れたとしても今後数年のうちに、大規模改修という課題に直面する劇場が多数ある。全国で多くの公共劇場が開館したのが1994~96年。それらが一斉に数十億~100億円かかるといわれる改修の時期を迎えるのだ。
 
    ・・・・・(以上引用)・・・・・

ホールが地域でどのような役割を担っていくのか。教育や文化にどのように関わっていくのか。
そしてもっと根本的なこと、音楽とは?芸術とはだれのものなのか?
さらに見つめなおさなければならない時期にきているように思えます。

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