子供がいじめにあったとき「良かったじゃないか!」と言った高橋がなりさん
最近、近所に「国立ファーム」という八百屋さんが開店しました。
国立ファームは、高橋がなりさんがやっている会社です。
高橋さんは以前やっていた会社を100億円企業にまで育て上げ引退。「真っ当な業界で真っ当な商売をして社会貢献する」と言って国立ファームを起業しました。
その国立ファームですが、お店の方は生き生きと目を輝かせて働いていて、デパートの地下一角そこだけ輝いて見えるようです。
高橋さんの考えが店員一人一人まで浸透しているのが感じられます。
「人は金や物、便利や長寿だけ与えられても幸せにはなれません。
金や権力など持って、社会的地位が高くても社会貢献していない他人を思いやる精神のないような輩に威張らせたくありません
『ものづくり』を通じて精神性の豊かな人づくりをしたいと考えています。『何を持っているか』ではなく、『何を作り上げることが出来るか』が重要な価値観になるような世の中にしたいんです。」
すごい転身があったのですね。
高橋さんがまだ前の会社をやっていた頃、お子さんが高橋さんの仕事ことでいじめにあいました。そのとき高橋さんは、
「本当の友達かどうかが分かって良かったじゃないか!」
と言ったそうです。
ドライバーから叩き上げで今の地位を築いた高橋さんだからこそ説得力のある「ことば」。
テレビで田中秀征さんを見ました。
現在大学教授ですが、第一次橋本内閣で経済企画庁長官まで務めた政治家です。
理論的な政治感覚の持ち主で、眼光鋭く、ちょっと冷たい印象があったように記憶しています。
「政治家を辞めたら、いろんな人が私から離れていきました。その人たちは私が政治家だから付き合ってくれる人たちだったのです。」
と語っておられました。
カミソリのようなキレの良い語り口はすっかり影をひそめ、優しいまなざしで淡々と語る話しぶりから、いろいろなご苦労があったのだろう、ということが想像できました。
人はその人の看板で判断してしまうものなのですね。
看板がとれたとき、その人が裸になったとき、本当に大切なものに気がつくのかもしれません。