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ライフワークとしての学びを考えます。

音楽は点の集まりである 細かく数えることで本物感が出る

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マンドリンという楽器をご存知でしょうか。
この楽器、ギターと同じように持続音が出せません。
そのため、音を長くのばしているような雰囲気を出すために、「トゥララララ・・・」というようにトレモロという奏法で演奏するのです。
 
2010年10月30日、この日合唱団コール・リバティストの練習は、マエストロの小屋敷先生の指導でした。
マエストロとは、クラッシックの世界では本番の指揮をする人のことを言います。
 
マエストロは、「音楽は点の集まりです」と言います。
 
音はただ伸びているだけではなく、その音の中に細かな点の存在を感じなくてはいけないそうです。
その点は、マンドリンのトレモロのようで、一つ一つの点が、生き生きと立っている様子を思い浮かべるとイメージしやすいかと思います。
 
アマチュアの合唱団が、とかくテンポが遅れがちなのは、この点をなかなか感じにくいところにあると思います。
 
意外と忘れていまうことなのですが、音楽とは、数も大事なのです。
 
持続音の話とは違いますが、子供の頃、ピアノのレッスンではいつも細かく数えることをうるさく言われていました。
 
リズムやテンポは勿論ですが、例えば、1拍の中に、左手は4つ、右手は3つの音を弾く場合。最初の音しか同時に鳴らず、後はずれてきこえます。
 
3と4の最小公倍数12で1拍を割り、左手は4×3、右手は3×4とし、12拍数えながら練習します。
これが連続する場合、常に1拍は12拍感じながら演奏していくのです。
 
最初はゆっくりと行いますが、慣れてくると、体で細かく勘定できるようになり、リズムはかなり正確に、しかも自然に流れるようになってきます。
 
勘やイメージだけで適当にあわせていたのでは、本物の感じはなかなか出てこないのです。
 
この日は、高田三郎作曲の名曲「水のいのち」を初めて練習しました。
 
マエストロは、高田先生直々の指導で演奏したことがあり、「ここのところ、高田先生はこう言っていたよ」など、今は亡き作曲家の生の声を聞くことが出来ます。
 
最初の「雨」という曲。
これは「静かに。決して高らかに歌ってはいけません。優しく、声を霧雨のように。」
とおっしゃったと言います。
 
その人が亡くなったあとも、作品は残り、語り継がれていくのですね。

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