声帯をコントロールすることができますか? すごく簡単な声帯のトレーニングをご紹介します
歌を歌うとき、自分で思っているとおりの声を出せるようになりたいというのは、全ての人の願いではないでしょうか。
人間は「声帯」から声をだしているわけですが、この声帯、意外と思い通りにならないものです。極端な話ですが、「耳を動かしてみましょうか」というのに近いものがあると思います。
柔らかい声、強い声、そして、正しい音程・・・・、まるでピアニストが指を動かすようにそれらのイメージをコントロールして、初めて良い歌を歌えるようになります。
「声を出してみたら、なぜかわからないけどこんな声になっちゃった」というのはよくあることですが、これではよくありません。
2010年11月6日、合唱団コール・リバティストに、東京混声合唱団の秋島先生をお招きしての練習を行いました。
この日は「h~」と息から入り、途中から自然に「a」の母音に持っていく、という発声練習をしました。
この練習は、「声帯を閉じるタイミングを自分で作る」ようにするトレーニングです。
「h~」と息が流れているときは、声帯は開いています。
「a~」と発声しているときは、声帯は閉じています。
「h」から「a」に変わるところがちょうど声帯が閉じるタイミングですので、注意深くやってみてください。
それでは、「a」のときは音程をつけて「h~a~」と音を長くのばしてみましょう。
注意する点は、以下の5点です。
・「h」を長めにとること。
・「a」の母音で音程をずりあげないこと。
・「h」から「a」はなるべく同じラインを意識すること。つまり「h」の時点からすでに「a」の母音と同じ音程を歌うつもりのポジションにいること。
・息は一定に。「h」のときも「a」のときも、同じ息の流れで行う。
・「h」も「a」も一環して同じ口の大きさで。
そして、ついでに複式呼吸も組みあ合わせましょう。
息を吐いているときはお腹を少しずつへこませ、ブレス(息を吸う)のときはお腹が一気に戻るように。
「h~a~ブレス、h~a~ブレス・・・・」というように繰り返します。
先生いわく、このときお腹にあまり贅肉がついていると動きにくいそうです。
20年~30年前の声楽家は、すごくふくよかな人が多かったのですが、最近はあまり見かけなくなりました。
かつては「太っているほうが良い声が出る」「体が楽器なのだから大きいほうがよい」という神話があったのです。
結局、声を出すというのは筋肉の作業ですから、運動と同じということです。
必要なところに必要な筋肉がついていなくてはいけないというわけです。
また、昨日の記事でもご紹介した、マリア・カラスのように、オペラは見た目も大事。
最近は、スタイルの良いオペラ歌手が多いですね。
発声後の練習では、林光の「鉾をおさめて」「この道」「かやの木山の」「ゴンドラの唄」などを歌いました。
日本の歌も、意外と知らない曲が多く驚きます。あらためて歌うと、心に染み入るよさを再発見できますね。