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「もう英語ネイティブを目指す時代は終わった TOEIC500点で十分できる英語でのコミュニケーションは自己のマインドを変えること」第10回朝カフェ次世代研究会 #asacafestudy

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9月22日(水)、第10回朝カフェ次世代研究会に行ってきました。
毎回違った論客を迎え、ビジネスについて質の高い講演が繰り広げられています。

この日の講演は、大塚雅文さんによる『グローバル人材に求められるコミュニケーションスキル』です。大塚さんは、英会話学校を経営する、まなび株式会社代表取締役
 
「もう"TOEIC800だ、900だ、ネイティブを目指せ"という時代は終わった。英語が劇的な変化を遂げている」と大塚さんは言います。
 
リーマンショック以降、欧米諸国の消費が減り、新興国の経済的な勢いが増してる現在。日本人もどんどん海外に出て行かなくてはなりません。
自分より英語力の低い人を相手にコミュニケーションをしなければならない場面も増えてきます。これからは、新興国のノン・ネイティブの人々と英語でのコミュニケーションが必要になってくる時代なのです。
 
会議など、英語を使う場面で分からないことがあってもそのままにし、結局最後まで理解できなかったことってあるのではないでしょうか。
こんなときはすかさず「Wait」とすぐに聞くことが大事だそうです。
 
日本人は、「もし分からないことがあったら調べてから聞くように、考えをまとめてから聞くように」と育ってきました。また、話の内容より、相手の気持ちを大切にするため、しゃべっているのを止めて質問するのはよくないことのように思ってしまいます。
実は、そこのマインドを変えるのが、英語上達への大きな一歩なのです。
 
『分からなければ、その場で、タイミングを無視してでも止めて質問する』
 
日本ではなかなか難しいことなのですが、英語では2重人格になってでも気持ちを切り替えて「待って」と言うこと。大塚さんは「食らいつく」とおっしゃっていました。そのくらいガツンと止めたほうが良いのです。
英語を話す相手にとっては、分からないままだまって聞かれるより、「話を止めているのはあなたの話を理解しようとしているんですよ」という意思表示になるのだそうです。
私は、ついつい分からないことは恥ずかしいと思ってしまい、分かったフリをして頷いていることもあったのですが、これからはゴツゴツ聞いていこうと思います。
 
6月30日付ニュースウィークの記事「英語じゃなくてGlob・ish -簡易型英語が世界の新たな共通語に-」の記事をご紹介いただきました。イングリッシュではなく、グローバルに通じる言葉「グロービッシュ」。これからはシンプルな言葉で話しましょうよ、ということが書かれています。
 
あまり難しい単語・・・例えばジョークなどを片っ端から覚える必要はなく、基本的に語彙は1500で事足りるそうです。
これは勇気が持てますね。
TOEIC500点でだいたい2500~3000語ですから、もう十分に通用するわけです。コミュニケーションだけに絞れば、800点900点の必要はないのですね。
 
国際的活躍する指揮者、大野和士さんはフランスのオーケストラの主席指揮者に就任したとき次々と訪れる関係者に、英語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、など様々な国の言葉を使い分け対応していました。指揮者にとって多言語を扱うことは必須。しかしなぜこんなに短期間で言葉をマスターしてコミュニケーションをとれるのか不思議に思っていましたが、英語に限らず、どの言葉でもこの1500語というのは共通するのかもしれませんね。

指揮者は音楽だけではなく、その国の言葉でオーケストラを指導します。それは、その方が心が伝わるからなのです。

言葉とは心を伝えるツール。グローバルコミュニケーションに基本はここにあるのかな、と大塚さんの講演から感じました。

*2010/09/24 題名を訂正しました。「次代」→「時代」

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