芸術家が活動できるのもJASRACのおかげ
現在、合唱団の記念CD製作にあたって、著作権協会のJASRACに著作権申請を行っています。
JASRACから電話があり、
「プログラムに野上彰作詞小林秀雄作曲の『落葉松』という曲がありますが、こちらはEMIから専属開放料の手続きを行う必要があります。」
ということでした。
専属楽曲と言って、アーティストがレコード会社に契約をしている曲があり、その場合、レコード会社に独占的な利用権があるため、JASRAC申請前に、レコード会社の承諾を得る必要があるのです。
これを「専属開放」と言います。
「落葉松」の場合、は作詞家の野上彰がEMIと専属契約していたようです。
昨年は「大地讃頌」で専属開放料が発生しビクターエンタテイメントに申請したことがありましたが、「落葉松」もそうだったのですね。うっかりしていました。
JASRACの楽曲データベースJ-WIDに「専属」というマークがあったら、専属会社に連絡をしなくてはならないようです。
ちなみに今回の専属開放料は、一曲消費税+5,000円でした。
その他にJASRACに著作権料の支払いが生じます。
CD49枚までは、400円×曲数+消費税
50枚以上は、8円10銭×枚数×曲数+消費税です。
一曲は5分単位となりますので、もし9分でしたら2曲分扱いになります。
今回は100枚製作、全18曲で、5分以上の曲が4曲含まれていたため、実質22曲となるので、
8円10銭×100×22+消費税で、18,711円
という計算になりました。
個人利用で商品として販売しない場合はさらに50%引きになる可能性があるそうです。
もしそうなると思ったよりお安いですね。
アーティストの権利を守るために、こんな細かい計算を行って、しかも私のようにうっかりしている人のために電話をかけ、本当に大変なお仕事だと思います。
さらに最近のインターネットでの違法音楽配信に対しての対策も万全のようです。
JASRACの違法音楽配信サイト対策
「監視システム「J-MUSE」~JASRACは常に見張っている」
リアルでの演奏会も、演奏が終わればすべて終わるわけではありません。
お世話になった方々にお礼をして、会計などの事務作業をし、著作権の手続きを終えてやっと一息つくのです。
アーティストの身になってみれば、もし自分が一生懸命作ったり演奏したりした作品がどこか知らないところで無断利用されていると思ったらとても不安です。
JASRACがあるからこそ安心して創作活動ができるのだと思います。
改めて、人の作品をお借りして表現し、感動をいただいているということを肝に銘じて演奏していきたいと思いました。