鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

商品を売るのではなくエクスペリエンスを売る時代に

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 アドビのデジタル・マーケティングの年次カンファレンス「Adobe Summit 2016」に参加している。キーワードは「エクスペリエンス」だ。

 今回のイベントのゼネラルセッションなどの発言で、盛んに使われていたのがエクスペリエンスビジネスという言葉だ。今や商品を売るのではなく、エクスペリエンス、顧客体験を売る時代になったのだと言うこと。そのために何ができるのかを企業は考えるべきだと。

 そしてアドビは、エクスペリエンスを企業が提供できるようにするサポートをするというわけだ。そのために、デジタルマーケティングのための各種ツールを提供しているのもあるのだが、どちらかと言えばプラットフォームを提供しているとのこと。それこそがアドビの強みになっている。

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 もう1つのアドビの強みは、なんと言ってもコンテンツのアプローチができることだ。アドビのデジタルマーケティング事業部門担当エグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャのブラッド・レンチャー氏は、このコンテンツのアプローチはアドビの文化であり、他社が一朝一夕に真似できるものではないと言う。

 もう1つの優位性としてレンチャー氏が挙げたのが、実績のあるカスタマーが存在すること。企業のデジタルプロフェッショナルと呼ばれるような人たちが、アドビの各種ツールをすでに使っている。そのコミュニティの一員になりたい企業はたくさんおり、彼らから学びたいと思っている。アドビはそのためのコミュニティも用意していると言う。

 コンテンツと言う切り口は確かに重要だろう。データを駆使して顧客をセグメントできたとしても、そのセグメントされた顧客へアプローチするには素晴らしいコンテンツがなければならない。アドビではCreative Cloudでコンテンツを作るところのソリューションは確かに大きなアドバンテージだ。その上で彼らは、CMOなりに「良いストーリーテラーになる」ことを薦めている。データがあってコンテンツがあるだけでもダメで、それがストーリーとなって顧客にとって「素晴らしい体験」にならなければ「エクスペリエンスを売る」ことにならないからだ。

 ここからは個人的な見解だが、この一連のエクスペリエンスを売るための作業を、外部に委託していたのでタイムリーにできないし、顧客にとって良いストーリーかどうかもよく分からなくなりそうだ。なるべく自社内で一連の作業が完結するにこしたことはないだろう。

 デジタルマーケティングを実践し、エクスペリエンスを売る企業に変革するには、企業内に良いストーリーテラーを要し、データにも強いマーケティング組織を持つところから始めるべきだろう。どのマーケティング・オートメーションツールがいいかよりも、まずは自社内のマーケティング組織の棚卸しから始めたほうが良さそうだ。

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