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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

今回の地震で気がついた携帯電話のこと

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 今回の地震で、携帯電話は重要なアイテムだというのが改めて認識された。とはいえ、使える部分、使えない部分いろいろと見えたところもある。

 都内では、地震発生直後から携帯電話での連絡はほとんどできなくなった。私の家族はたまたまディズニーランドで地震にあったのだけれど、音声通話は12日になってからやっと通じるくらいの感じだった。人が大勢いる場所では、とくに音声通話は役に立たないということのようだ。

 これに対して、パケット通信はそれなりに利用できていたようだ。通常の携帯電話のメールよりも、電話番号で連絡できるSMSやショートメールのほうがタイムラグもなく届いていたみたい。通常の携帯電話メールはだいぶ遅延があったようで、翌日以降に届いたなんて話も聞こえてくる。弊社では緊急時には携帯電話で連絡をとることになっていたけれど、音声はだめ、携帯電話のメールも遅延するということで、連絡方法としてはちょっと見直しが必要だ。SMSやショートメールを使うのが良さそうだけれど、現状では同じキャリア同士でないと連絡できない。このあたり、早急にキャリア間でもショートメールなりが使えるようにしてもらいところだ。

 すでにご存じのように、Twitterをはじめとするインターネット関連の環境では、災害時でも比較的安定して情報収集できた。とくにTwitterは莫大なトラフィック増加があっただろうけれど、クジラが出ることなく利用できていたのには驚いた。この結果を見て、友人の中には、非常時の連絡用に家族全員分のTwitterアカウントを取得したなんて人もいるくらいだ。このTwitterを活用するには、やはりiPhoneなどのスマートフォンが便利だ。仮に3Gの通信がだめでも、街中の無線LANを捕まえることができれば通信できるかもしれないし。もちろん、いわゆるガラ携でもTwitterは利用できる。普段使わなくても、ガラ携でTwitterができるようにしておくのは災害時対策としていいかもしれない。

 とはいえ、音声と同様、人が大勢いるようなところではパケット通信でさえうまく通信できないようだ。ドコモはいいけどソフトバンクはだめとか、auが結構音声でもつながっていたとか、いろいろ聞こえてくる。もちろん、それぞれの人がいた場所などにより状況は異なったのだろう。災害時のことを考えれば、複数キャリアの携帯を持っていることがいいのかもしれない。まあ、コストや手間的に許されるのならばということになるが。1つ課題だなと思ったのは、iPhoneでは緊急地震速報が受け取れなかったということ。アプリで受け取れるようにするものも出ているようだけど、携帯電話の基本機能としてこれは欲しいところだ。

 ガラ携でよかったなと思ったのは、普段全く使わないけどワンセグでTVを受信できたこと。ワンセグいらないから端末台安くしてよなんて思っていたけれど、災害時は頼もしい存在だった。そういう意味では、ラジオの機能も携帯電話に欲しいところだ。最近ラジオ機能付きの機種が減っているので、端末メーカーには今一度そのあたり検討し直して欲しいかも。スマートフォンならradikoを使ってインターネット経由でラジオを聴ける仕組みもあるので、まずはradikoをインストールしておくことをお勧めする。

 課題は、やっぱり電池だろう。ワンセグ観るにしても、Twitterやるにしてもどんどん電池が消耗される。予備のバッテリーは持ち歩いているけれど、かなり心許ない。こんなの使えるかなと思っていたけれど、ソーラー式の充電器みたいなものがけっこう有効なのかもと思ったり。

 実際に災害なりにあわないと、本来は便利であるはずの道具が現実的にどう使える、使えないかというのはなかなか分からないものだなと改めて思う。今回を教訓にして、できるところは工夫して、いざというときのための備えとしたい。とにもかくにも、東北地区ではいまは携帯電話がどうこう言える状況にはないはず。まだまだ遠い道のりかもしれないけれど、少しでも早く日常を取り戻せるようにと祈るばかりだ。そのために我々ができることを考え、少しずつでも行動していきたいと思う。

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