単なる電子書籍の制作ではもうビジネスにならないなと
本日、佐々木さんのCMパンチと弊社との共同のプロジェクト「eBookPro」で、ニュースリリースを配信した。内容は、シェア型の費用モデルで電子書籍アプリを制作しますよというもの。
これまでも、電子書籍制作を請け負うビジネスをしてきたのだけれど、じつはこの電子書籍の制作費、昨年の今頃にくらべてどんどん相場が下がっている。いまだに法外な費用を請求する場合もあるけれど、DTPのデータをベースに単純なiPadアプリケーションを制作するだけなら、かなり低価格で請け負うところも出てきているのが現実だ。
このまま価格競争に陥っても何ら面白くないと言うことで、eBookProでは初期の制作費用はもらわずに、作った電子書籍が売れたら売り上げをシェアしましょうねというサービスを始めることにした。これ、基本的には完成原稿があることが前提。原稿に編集の手が入るとなると、そのための作業費用は応相談にはなる。また、独自にこった機能を盛り込みたいという場合も同様。とはいえ、完成原稿さえあれば、ページめくりのついたアプリを制作費なしで作ってとにかく売り出しましょう、ということが可能になる。
ところで、ここ最近、iPadやiPhoneのAppStoreでは、単純な書籍アプリは審査に通りにくくなってきているという噂もある。書籍を出したければiBooks Storeを使ってねというのがAppleの主張なんだと思うが、いかんせん、日本ではそのマーケットが開いていない。まあ、なんとも矛盾した状況ではあるけれど、単純なアプリに一手間入れ込んで、アプリならではの利点がある電子書籍を作って軽やかに審査をクリアしたいところではある。いまのところ、先日販売が開始された伊集院静氏の「なぎさホテル」のように、テーマ曲を付けたり、適宜映像やアニメーションを入れ込んだりといったところが容易に着手できる工夫になる。
このような状況が出てきたのも、電子書籍が物珍しいという状況から、だんだんと現実的なビジネスに成長してきた結果なのかなぁとも思う。タブレット端末もこれからどんどん出てくるだろうし、クラウド型の書庫サービスなんていうのもまだまだ始まったばかり。これからがまさに本番、ということで、さらなる工夫と知恵でビジネスを切り開いていく必要がありそうだ。