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企業がTwitterを活用するにはどうすればいいのかな

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 今日の日経新聞朝刊に、オプトデジタルガレージが、それぞれつぶやきに広告的な要素を入れ込むサービスを始めるという記事が掲載されていた。

つぶやきアフェリエイトには懐疑的

 いわゆる、Twitterのアフィリエイトのようなもので、Twitterユーザーが企業の広告をつぶやくことで対価を受け取るというものだ。このニュースを目にした私のTimeLineにいる人々は、どちらかというとこれには懐疑的だった。そういうつぶやきをすることは気に入らない、あるいはそんなつぶやきするような人が自分のTLにいたらその人のフォローを辞めるといった意見が目立っていた。

 私のTLでは不評だが、いざこのサービスが始まった段階で、実際にみなさんがどのような態度をとるかは分からないなと思っている。というよりは、つぶやく人のスキル次第のところがあるのではと。嫌味なく上手につぶやくことができれば、アフェリエイトも受け入れられるだろう。逆にあからさまにアフェリエイト臭がするようなつぶやきだったるすれば、やはりフォローを外してしまいそうだ。

 広告を出す企業や商品なりがいいものであっても、つぶやきアフェリエイトがあまりいただけないものだったりすると、その企業自体のイメージを損ねかねない。140字という限られた文字数で、よりよい広告効果を発揮してもらうのはかなり大変なのではないだろうか。この手法は、そういう意味ではけっこうリスクもありそうだ。個人的にはそんなリスクを心配するくらいなら、別の広告手法をとったほうがいいのではと思ってしまう。

まずは公式アカウントを用意して長くつぶやき続ける

 では、Twitterを企業が活用したければどうすればいいのだろうか。いまのところの答えは、企業や商品なりの公式なアカウントを用意し、真摯に有益な情報をつぶやくことだろう。これならすぐに始められるし、担当者さえアサインできればお金もそれほどかからない。この場合、すぐに効果を求めないほうがいい。長くつぶやき続けることを目標にすべきだろう。

 さらに、できることなら情報をただ流すだけでなく、つぶやく人の人となりが垣間見れるようなつぶやきをしたい。それができれば、ファンは自ずと増えてくるはずだ。つまり、現段階でのTwitter活用は、中長期的な視点が必要ということになるだろう。

 そして、自らつぶやきつづけながら、自社に関連するつぶやきを検索して収集し、その内容を分析することも重要だ。Twitterはこういうものだからこういう情報をつぶやけばいいと決めつけるのではなく、Twitterの世界は常に変化するものだと考える。それをリアルタイムに把握するには、つぶやきの分析も必要なのだ。分析の結果を踏まえて、自分たちがどんな情報をつぶやいていけばいいかを考え、つねにつぶやきの内容を変化させるべきなのだ。

Twitterを顧客とのコミュニケーションチャンネルの1つと位置づける

 そして、次のステップでは、Twitterを顧客の要望を受け取るための1つのチャネルと位置づけることだ。とはいえ、Twitterで要望を受け取ったらすぐにTwitterで返さなければならないと考えてしまうと、これはけっこう敷居が高いものになってしまう。適切な返答を早急に返すには、それなりのセンスも必要だ。さらに、答えには公式発言としての責任も伴うので、ある程度の意思決定権限も必要になるだろう。こうなると、ソフトバンクの孫社長くらいの人でないと、そう簡単にこの窓口担当をできるものではない。

 顧客からの要望を受け取るチャネルにするからといって、なにも即答しなくてもいいのだ。むしろ、そこで受け取った要望をきちんと社内にエスカレーションする仕組みやルールを決め、誠意をもって対応することこそが重要だ。もちろん、これにはなるべく時間をかけないようにしたいところだが、時間よりもいかに誠意をもって対応しているかが重要であり、時間がかかるようであればなぜ時間がかかっているかを適宜経過報告するべきだ。

Twitterで何かが変わるのではなく会社が変わる道具としてTwitterを活用する

 ようは、Twitterを使えば何かが変わって売上があがるとか考えるのではなく、会社の変化対応のスピードを早くするための道具だととらえ、Twitterをきっかけに社内の情報の流れを整理し意思決定を迅速に行うにはどうしたらいいかを考えるべきだ。Twitterを使うことが目的ではない。自社変革のためにTwitterをどう活用すればいいのか、その答えを見つけるには、まずは自らきちんとつぶやき続けることなのではと思うのだった。

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