鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

Oracle Exadataに死角はないのか

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 ここ最近、OracleからデータベースアプライアンスのExadataの導入事例リリースが立て続けに出ている。

 これ以外にも、カルチュア・コンビニエンス・クラブのTポイントのデータを扱うデータウェアハウスに採用などなど。そんな中、先週にはOracle Exadataに関するプレス向けの勉強会なども行われ、絶賛プロモーション中という感じだ。

 この説明会では、会社名は公にはできないけれど、Oracle Exadataについてはすでに数十の導入案件があるとか。この数十の「数」も大きいほうの数だと言っていたので、すでに50よりは多いのだろうか。ならばそこそこ値の張るものだから、かなりいいペースで引き合いが来ていると言えるだろう。

 私はたまたま、いくつかのExadataを導入した顧客に話を聞く機会に恵まれたが、概ね顧客からも好評なのは間違いなさそうだ。とにかく、これを入れるだけで確実に旧来システムより速くはなっているという声が聞こえてくる。そして、速さももちろん大きなポイントとなっているのだが、最終的にExadataを選んでいる大きな理由の1つが、これがOracleだからというもの。

 世の中にTeradataであるとかNetezzaであるとか、データウェアハウスに特化した高性能を売りにしたシステムというのがいくつかある。これらを導入することでも、デーアウェアハウスの処理性能などは向上するはずだ。とはいえ、これらを採用する顧客の場合でも、ほとんどバックエンドでは別途Oracleを使っている。そのため、Oracleには慣れているし、技術者も確保しやすいという現状がある。

 そこへ、速くするためとはいえ異質なシステムを入れるのはけっこう大きなチャレンジと顧客は捉えるようだ。ところがOracle Exadata、これはアプリケーション側から見ればただのOracle RAC(Real Application Clusters)に見えるとのこと。なので、扱うためにあらためて別のシステムのスキルを身につける必要も、そのための技術者を確保する必要もない。これは顧客企業にとっては、手間とコストの面で大きなアドバンテージになるだろう。

 日本の情報システム部門はどちらかといえば保守的な傾向もあるので、異質なものを取り入れてなにかトラブルに遭うのではと心配するよりも、皆が使っているOracleにしておこうと思うはず。この顧客心理は、いかんともしがたいところ。圧倒的なシェアを持っている製品の大きなアドバンテージであり、ニッチ製品は顧客の予想をはるかに大きく上回るような高い性能でも出さない限り、これを打ち破るのは難しそうだ。

 そもそも、Oracleによると、「いまのところベンチマークをしても他社の製品に負けたことはない」と豪語している。正式なベンチマーク結果なりが今のところ出ていないので、どちらが速いというような話はしにくいところではあるが、本来の競争の場である性能面でもOracleはかなりいい線をいっており、Oracleは強い自信を持っているのだ。Oracleの関係者に冗談めいてExadataの弱点はないのかと訊いたところ、データセンターが破壊されるような「地震とかの災害かな」との答えが返ってきた。それは、どのマシンでも同じだろう。つまりは弱点はないということか。

 個人的にいくつかの事例取材をした範囲では、従来であればリレーショナルデータベースの性能を向上させるために必要だったテーブルの分割やインデックスの活用といったことが、Oracle Exadataでは基本的に必要ないので、技術者側がそのあたりの頭の切り替えをしなければならない、という話は聞こえてきた。うーむ、これは弱点とは言い難いか。

 あえて指摘するならば、Exadataがアプライアンス製品だということが弱点として挙げられるかもしれない。データベースとアプリケーションサーバーなどを完全に分離して利用できれば基本的には問題ないが、なんらかのプログラムなどをデータベースサーバー側に入れ込んで利用したいニーズがある場合には、それをExadataに入れ込んでしまうと、アプライアンス製品としてのサポートが受けられなくなる可能性あるのだ。たとえばサードパーティー製品のバックアップシステムをすでに導入していて、それがデータベースサーバー側にエージェントプログラムをインストールする必要があるような場合だ。

 この場合は、既存の仕組みを捨ててOracleが提供するバックアップ機能を利用するか、別途サポートしてもらえるなんらかの方法を模索することになるかもしれない。このあたりは、Exadataを採用する際にはちょっと気にかけておくべきことかもしれない。とはいえ、Exadataが普及すればサードパーティー製品も正規にExadataに対応することが求められるだろうし、そのあたりでOpenを主張するOracleがサードパーティー製品を閉め出すことはないとは思うので、この問題も次第に解決していく話なのかもしれない。

 ということで、いまのところOracle Exadataには大きな死角は見あたらない。そうに思うと、だれかこれに果敢にチャレンジするベンダーが現れることを、ちょっと期待したくもなるのだった。

Comment(3)

コメント

対抗する側のItaniumはMSが開発を終了してしまいました。Itanium+Windows Server(SQLserver)とOracle Exadataには「事業がうまくいったら○万トランザクション」というユーザの妄想を受け止める役割があるように思います。
SQLserverとの比較で「いざとなったらExadataへのアップグレードパスがあるからOracleに決めた」という感じの貢献は少なくなさそうですね。

MSがどこかとがっちり組んで、専用の高速処理環境を提供するとかできないと、ちょっと対抗するのは辛いかもしれませんね。そういう意味ではIBMのほうがDB2もハードも持っているので可能性はありそうな気もしますが、いまひとつ市場での認知度と技術者の数、オープンシステムでの実績が厳しい情況にあるといったところでしょうか。

国内ベンダーSE

はっきり言って死角だらけ。
エクサデータ固有のバグ多いし
ハード故障率も異常に高い
まともなパフォーマンス出すためにはSQLヒントだらけになるし

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