オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

クラウドへの序章か

»

 Oracle OpenWorldの最終日にして最大の期待、ラリー・エリソン氏のキーノートが行われた。

 事前の予測では、クラウドサービスに関する発表かと期待していたわけだけれど。うーむ、そうといえばそうだし、まだちょっとそこまではいかなかったか。まあ、Amazon EC2でOracleが動くだけでなく、クラウドは視野にきちんと入っているのだよということは示したことになるのではと思うところだ。

 ちょっと無理矢理感もなきにしもあらずだけれど、その1つがサポートのプロアクティブサービス。顧客の環境のコンフィグ情報をインターネット越しに集めて、そこの情報をもとにプロアクティブなサポートをこれまたインターネット越しに展開するというもの。一応、顧客同士のコミュニケーション機能なんていうものも展開されるとのことで、一種のクラウド型のサポートサービスと捉えることができるかなと。

 もう1つの序章は、まさに序章で、次世代のApplication製品であるOracle Fusion Applicationsは出荷されるときから"SaaS Ready”だというもの。そのため、SaaSでもオンプレミスでも最初から利用できるようにするとのことだ。SaaS ReadyのReadyはどのような部分かというと、サービスレベルをきちんとモニタリングできる仕組みを提供するというもの。エンタープライズのサービスではこれは重要だけれど、現状のクラウドの多くはここのところは不十分だとエリソン氏は指摘していた。で、オラクルは最初からこの部分をきっちりと提供して、SaaS Readyで行くのだという表明がなされたわけだ。

 個人的にはデータベースのプラットフォームサービスの発表に期待していたけれど、まだそこまでは早すぎたか。それでも、Oracleもクラウドにフォーカスを合わせつつあるのかなというのが垣間見られるエリソン氏のセッションだったとは思える。

 ちなみに、ぜんぜんクラウドの話とは関係ないが、エリソン氏のステージの特別ゲストにはカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が登場した。CO2削減とかエネルギー政策関連でちょっと面白い発言をしていたので、その話はまた別途ブログで報告する予定だ。

Comment(0)