SFDCとOracleのSaaSの違い
昨日は、OracleがSaaSに関する発表会を行った。Oracleの強みは通常のSaaSのサービスもあるし、顧客サイドにサービスを置く@Customerという形態が取れるのがその1つになっている。
それ以外にも、OracleはSaaSの価格優位性につながるマルチテナントではなくてあえてシングルテナントのオプションを用意したり、ディザスタリカバリオプションなどかなりエンタープライズ向けの機能というかサービスの強化を、SaaSにも新たに加えている。
これに対してというわけではないのだけれど、Salesforce.comの発表はTwitterだ。
なんだか、ずいぶん対照的。SaaSでもあくまでもエンタープライズ対応を付加価値とするOracleに対して、形から入るというか軽やかにTwitterを取り込んでしまうSalesforce。どちらがいいとかいう話ではないけれど、SaaSという同じ市場なんだけれど、向いている方向が180度違っているように思う。
顧客も当然ながら、両社では異なっている気がする。オラクルはSaaSであってもあくまでもエンタープライズ系の大手から中堅が中心、対するSalesforceは従業員数人の小規模な企業も大事にしてそれを積み重ねて行く。もちろん、Salesforceも大きいところも狙っているはずだ。
とはいえ、まだまだSaaSは過渡期だと思う。この戦略の違いが、数年後のこの市場での成功にどう影響するかはまだわからない。ここ最近は、Azureなどのプラットホーム系に注目が集まりつつあるけれど、現実的にはSaaSにもいろいろあるのだというのが理解されてきたことが現状か。SaaSga市場にしっかりと根付くには、Oracleのようなある種地味だけど確実にエンタープライズに受け入れられる方向性と、Twitterというちょっと飛び道具的な新しいものもすぐに取り入れるSalesforceのフットワークの軽さみたいなものが、双方バランス良く取り込まれていることなのかもしれない。