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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

スマートになるために人は価値観の共有ができるのか

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 何言ってるんだかよくわからないタイトルになってしまった。なぜかと言えば、、IBMの「A Smarter Planet」に関するブロガー向けの集まりに参加して、いろいろと考えさせられて、結論めいたことにたどり着いていないから。

 山口さんもこの件についてエントリーしているけれど、IBMがA Smart Planetというコンセプトを打ち出したことについて、その背景であるとかIBMが今取り組んでいることの説明を受けた。で、そのあとは、参加した皆さんでディスクカッションしたわけなのだけれど、テーマが大きくて短時間でなにか答えのようなものにたどり着くとかそういうものではなかったのだ。

 直近でまずは取り組まなければならないことは、さまざまな無駄を排除して効率的にすることで、増え続けている二酸化炭素の排出量を少しでも減らすということがある。これについては、おそらく意義を唱える人はいないだろう。もちろん、飢餓に貧しているとかの状況にある人たちにとっては、二酸化炭素がどうしようが今食べることが大事というのも理解はできる。とはいえ、そういった人たちにもなんとか効率的に食物なりが行き渡るように考えるというのはありだろう。

 まずは効率化をはかり二酸化炭素の排出量を減らし、その上で人類の価値観を共有をすることで、人々の幸せに向かって人類はさらに努力をしていくことになる。IBMはさまざまな技術を駆使することで、まずは当面の効率化に尽力するのだというのは凄く分かりやすいし、おおいに力を注いで社会をあるべき方向に引っ張っていって欲しいなぁと思う。

 ところが、ある種これは理想的なアプローチに過ぎない。一方では、効率化をおこなっていくら無駄を省いても、じつは二酸化炭素の排出量を劇的に減らすのはちょっと難しいのではという予測もある。そもそも、価値観を共有することはできるのだろうか。二酸化炭素は多少増えてもやっぱりエアコンは必須だよねという人もいれば、二酸化炭素が増えるならエアコンはもう使わないという人もいるかもしれない。経済的な面での人々の満足度を考えると、人や地域によって求めるものが異なり、「便利さや快適さってこの程度でいいんじゃないの」という感覚は大きく異なってしまうだろう。

 まずはITやその他最新テクノロジーで、とりあえずの効率化はどんどん進める。これは最低限やらなければならない。とはいえ、人口が増え化石燃料を使い、肉を食べてという、今のところの普通の生活をして行く以上、二酸化炭素の排出量をゼロにはできない。この先の地球という人間の住む環境をどうすべきという、人類共通の目標をきっちりと決められないと、さらなる二酸化炭素排出量の劇的な削減にはなかなか至らないように思う。世界中で価値観を共有する、あるいは少なくとも妥協する。これを待っていたならば、地球という環境は取り返しの付かない状態になりかねないと感じている。

 じゃあどうすればいいのか、それについて明確な答えはない。価値観の共有なんていうのを待たずに、誰かが思いきって劇的に二酸化炭素排出量を減らすことができる生活を定義して、無理矢理にでもそれを実施していくとかいう方法も必要なのかもしれない。先にすこし強引に行動を起こしてしまい、人々の価値観をその結果や過程に合わせてしまうのだ。

 まだ自分の中でも考えがまとまっていないので、うまく文章で表現できない。この話については、今後も継続的に追いかけて、さまざまな形で、なんとか皆さんにメッセージが伝わるように努力したいなぁと思っている。 

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