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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

Amazonで宮崎物産展

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 地元の駅ビルに入っていた大型の電気店が、閉店することになった。なんとなく、なくなるといやだなぁと思っていたので、ここ最近はここで買い物するようにしていたのだけれど、どうやら自分だけが買い物増やしても、売り上げにはあまり貢献できなかったようだ。

 実際のところ、このお店で買うよりもAmazonとかで購入したほうが、ほとんどのものは安かったりもする。もともと割引の少ないプリンターインクだとか電球とかそいうったものは店舗で購入してもそれなりの値段なのだけれど、ほとんどの電化製品はいまやネットのほうが安価なことが多い。

 Amazonは最近ではEC2やS3など、SaaSのプラットホームでちょっと名を馳せているけれど、どっこい本業のネットでの商品の販売も強力だ。いまや書籍はもちろん日用雑貨から家電製品、食品などもかなり充実している。で、なおかつ安いのだ。そしてAmazonが販売するものだと、送料もほとんどかからない。

 そんなAmazonが今度は物産展を開催するという。「宮崎県“てげうめ”グルメフェア」を開催し、宮崎の名産品がAmazonに勢揃いするらしい。こうなると、デパートも打撃かも。デパートの物産展は結構顧客を引きつける強力な催しだったと思う。それが、ネットでも展開されてしまうのだ。もちろんいままでだって、地方の名産品はネットで購入できたはずだけれど、それは顧客が能動的にそれを探して購入することになる。ところがAmazonで物産展となると、どこそこのある名産品ではなく宮崎の物産展に行ってみようという感覚でAmazonのサイトを訪れることに。さらに、Amazonには強力なリコメンドエンジンがある。一度、この宮崎物産展で買い物すれば、その後はこれが開催されるたびにおすすめされるに違いない。宮崎だけでなく、九州の物産展なんかもおすすめされるかも。

 このあたりのAmazonの動きは、厳しい状況にある百貨店にとってさらなる驚異になるのかもしれない。デパートは、物産展すら自分たちだけの強みではもはやないということに。Amazonは便利で安いし、デパートがなくなってしまうのも寂しいし。消費者サイドもちょっと悩ましい状況なのかもしれない。

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