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鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

今後のblogはソーシャル化するに一票

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 six apartの日本法人が5周年とのこと。それを受けた、同社の2009年の事業戦略説明会に参加してきた。

 ブログは、日本では従来、個人にとっては趣味の世界だったけれど、ここ最近はそれが個人のキャリアにつながってきつつあると言う。また、マーケッターにとっては、従来のマスメディア一辺倒な状況が、CGMなどを活用する方向に変化し、さらに、米国では個人ブログにもバナー広告を出すような新たなメディアとしての方向性が生まれつつあるとのこと。

 従来の新聞など紙メディアもインターネットにやってきて、当初は情報発信の担い手として活躍してきた。ところが、ブログの登場で、従来は巨大メディアによるごく少数の情報発信者と多くの受け取り手がいるという状況が、多くの受け取り手が気軽に情報発信できるようになった現実がここにあるとのこと。これにより、とくに旧態然としたメディアの世界は、大きな変革が求められることになるのであろう。

 さらに、ブログであるとかSNSであるとかTwitterなんかも少数の巨大サービスだけが幅をきかすのではなく、それらソーシャル的なものが分散してソーシャルウェブを形成するようになると言う。実際にユーザーはこれらのサービスを1つだけ使うのではなく複数利用している。私自身も、mixiもTwitterもLinkedinも利用している。それらを利用したいユーザーにとっては、個々のサービスが閉じたものだと、利便性が損なわれるのだ。これはオープン化を促すことになり、実際にGoogleやfacebookなどはプラットホームをオープン化する動きがある。

 先日取材に行ったSalesforce.comでもfacebookのオープン化したプラットホームがあったからこそ、SaaSとSNSの連携という新たなソリューションが生み出せたのだろう。このソーシャルウェブに対する、six apartの1つの回答が、今回新たに発表されたTypePad Connectだ。関社長によると「これはテクノロジとメディアの中間的なもの」として位置づけられ、個人のインターネット上のプロフィール、あるいはその人のソーシャルウェブの活動のポータルサイトとみることができる。

 これは、私がここ最近感じている、個々のブログのエントリーであるとかのコンテンツそのものにフォーカスしていた時代から、そのコンテンツを生み出した人、あるいはどこそこでコメントした人、このテーマ−に強いであろう人、さらには、その人とつながりのある人というように、「人」にフォーカスした動きに変化していることを象徴する機能のように思う。

 来年のキーワードになるかどうかは分からないが、ソーシャルには注目。なおかつその場合に中心にくるのはものではなく「人」ということになりそうだと予測している。

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