オルタナティブ・ブログ > むささびの視線 >

鳥のように高いところからの俯瞰はできませんが、ITのことをちょっと違った視線から

4億5千万円の書籍

»

 ECサイトの中では、Amazon.co.jpの利用頻度がかなり高い。その一番の理由は、送料。商品を1,500円買えば無料になるので、文庫本なら2冊程度注文するだけで配送料がかからなくなる。

 地球環境のことを考えると、自分がお店に出かけて買うべきか、ネットで配送してもらったほうがいいのか悩むところではある。なるべくまとめ買いをして、配送の回数を減らすようにはしたいところだ。

 Amazonで買うのは、もちろん書籍が中心だが、CDも買うしサプリメントも買う。気がつくとアウトドア用品から電機製品さらにPCのメモリまで幅広く購入していたりする。ネットでもっとも安い店を探す手もあるが、送料含めて考えるとAmazonもそこそこ安かったりするわけで、そうなると初めての店に新たに個人情報を入力し購入手続きするよりも、Amazonでいいやってことになるのだった。まあ。それだけAmazonで扱っている商品が、いつのまにかかなり豊富になっていることもある。

 商品を増やせば人が集まり顧客の満足度が上がる。そうなればユーザーが増えて、さらにユーザーの希望で商品が増え、集まれば安く提供できるから、さらにユーザーも商品も増えるというサイクルをうまく廻すのがAmazonのビジネスモデル。自分はうまいことこのビジネスサイクルに乗せられている顧客なのかもしれない。

 前置きが長くなったが、このお気に入りのオンラインショップのAmazonには、なんと4億5千万円もする書籍があるとか。これ、残念ながら(?)売り物ではない。かの超ベストセラー書籍のハリーポッターシリーズの著者、J.K.ローリング氏の手作り本だ。世界に7冊しかないうちの1冊で、昨年末にサザビーズのオークションで、Amazonが400万米ドルで落札したのだ。ちなみに残り6冊は、J.K.ローリング氏の知人が個人所有しているとのことで、一般の人が目にできる可能性があるのはAmazon所有のこの一冊だけだ。

 で、これが4億5千万円の書籍の表紙。5つの装飾は純銀製でムーンストーンがあしらわれている。表紙部分には、モロッコ革が使われイタリア製の手作りとのこと。

 こちらは見開きの部分。手書きのイラストのトーンはこんな感じ。

 こちらは本文のところ。ハリーポッターシリーズ最終巻に出てくる第21章のタイトルのところだと思う(すいませんうろ覚えで)。

 さすがに4億5千万円なので、扱うのに手袋をするのはもちろん、ページを開けるのも専門家によりかなり慎重に行われる。なんだかよく見えなかったが、ページを開くための専用の道具があるそうだ。

 この貴重な書籍を一般の方が実際に見られるイベントが、東京および関西で開催されるとか。それよりも、7月28日に発売されるシリーズ最終巻をAmazonで予約すると、抽選で10組20名は、中身を実際に見られるイベントに招待されるとのこと。ちなみに、3日お昼の段階で、すでに予約は73,730冊とのことなので、競争はかなり高そうだ。このほかにも、7月15日までに予約すると発売日に届くとか、オリジナルブックカバーがもらえるといった特典もある。

 ハリーポッターの最終巻『ハリーポッターと死の秘宝』は3,990円。112,800冊ぶんぐらいの値段ってことになるが、今の予約のペースなら日本の売上だけでこの額は軽く超えそうだなぁなんて、夢のないことを考えてしまう。

 4億5千万円のお金は、J.K.ローリング氏が儲けたわけではない。氏が共同で設立したヨーロッパの子供のための慈善団体に全額寄付されたとか。こちらのお金では、多くの子供たちに夢を与えるのだろう。

Comment(2)